【私の街の路面電車】とさでん交通で坂本龍馬や明治維新ゆかりの地を巡る
はりやま橋交差点では全国的にも珍しい「ダイヤモンドクロッシング」が見られる
南国の城下町を縦横に走る
とさでん交通は、土佐電気鉄道、高知県交通、土佐電ドリームサービスの3社が経営統合し、2014年に設立された。このうち鉄道部門であった土佐電気鉄道は1904年の開業で、約120年の歴史を持つ。高知平野を東西に結ぶ伊野線・後免(ごめん)線と、高知市街を南北に結ぶ桟橋線があり、3路線ははりまや橋停留場で接続する。坂本龍馬誕生地など、明治維新ゆかりの史跡が点在するエリアを走り、高知城周辺の観光スポットを巡るにも便利だ。市内均一区間は200円で、それ以外は対キロ区間制運賃。市外エリアは路面を走る併用軌道と専用軌道が混在している。
保有車両はバラエティーに富み、1950年製のレトロ車両(200形)、最新型の超低床式電車ハートラムⅡ(3000形)のほか、かつて名鉄や山陽電気軌道(山口県下関市)を走った車両も在籍している。明治時代の車両を復元した「維新号」や、ポルトガルなどを走った外国電車は、現在は貸し切りやイベントで走行している。車両を貸し切って宴会などで利用できる「おきゃく電車」の運行も3年ぶりに再開し、人気を集めている。
とさでん交通電車企画課の高橋美穂さんは「はりまや橋交差点は『ダイヤモンドクロッシング』という、線路が平面で交差する非常に珍しい場所です。右左折する3本の電車が交差点上で重なる瞬間を、ぜひご覧あれ」と話す。
文/谷崎 竜
■モデルコース
<高知城駅前>
↓ 6分
<はりまや橋>
はりまや橋
↓ 4分
<高知城前>
高知城
↓ 5分
<上町1丁目>
坂本龍馬誕生地、龍馬の生まれたまち記念館
↓ 9分
<はりまや橋>
↓ 6分
<高知駅前>
とさでん交通沿線の見どころ
はりまや橋
往時の姿を再現した朱塗りの太鼓橋。「よさこい節」にも歌われる。
■見学自由/はりまや橋停留場からすぐ/TEL:088-879-6400(高知市観光案内所)
※掲載時のデータです。
模型や映像で龍馬の少年時代や城下町の様子を紹介。
■8時~18時30分/無休/300円/上町一丁目停留場から徒歩2分/TEL:088-820-1115
※掲載時のデータです。
1749年建造の現存天守など15の重要文化財がある。
■9時~16時30分/年末年始休/天守・懐徳館入館420円/高知城前停留場から徒歩5分/TEL:088-824-5701(高知城管理事務所)
※掲載時のデータです。
●開業:1904年
●営業距離:25.3キロ
●停留場数:76
●「電車一日乗車券」:市内均一区間500円、軌道全線1000円。「24時間乗車券(モバイル版のみ)」:市内均一区間600円、軌道全線1200円
●問い合わせ:とさでん交通電車輸送課/TEL:088-833-7121
(出典:「旅行読売」2023年9月号)
(Web掲載:2023年9月1日)