【地球の力を感じるジオパークの旅】石川県・白山手取川 ユネスコ世界ジオパーク
標高2702メートル、日本三名山の白山。火山地形や高山植物が見られ、日本海まで現在の「水の旅」「石の旅」が始まる
霊峰・白山から日本海まで標高差2700メートルの「水の旅」「石の旅」
「白山手取川」は、2023年5月24日、国内で10番目のユネスコ世界ジオパークに認定された。ジオパーク内は、白山(はくさん)市内の「山と雪」「川と峡谷」「海と扇状地」の三つのエリアからなり、「水の旅」「石の旅」をテーマとしているのが特徴だ。
古来、信仰の山としてあがめられてきたシンボルの白山からの雪解け水は手取(てどり)川となり、やがて日本海へと注ぐ。上流域から流れ出た石を川の流れが運び、さらに中流域の大地を削り、そして、多数の石がたまったのが、下流域の手取川扇状地(せんじょうち)である。
「水の旅や石の旅といった国内のどこにでもある現象が、白山市内で完結しているのが特徴です」と地元ガイドの山口隆さん。
エリア内には、恐竜を始め、白亜紀前期の化石が発見された地層があり、この大地の成り立ちを物語る。また、豪雪地帯にある白峰(しらみね)重要伝統的建造物群保存地区、砂丘の上に形成された美川(みかわ)の町並み、谷口集落の鶴来(つるぎ)といった大地、自然と人々との共生が今に息づく地域も点在している。
文/荒井浩幸
山口隆さん(NPO法人白山しらみね自然学校 理事・事務局長)
白山へ1泊2日で案内しています。1日目は約6時間かけて登り、2日目は5時間弱で下山します。登山初心者でも大丈夫です。山頂近くの山小屋に泊まった翌日のご来光は格別です。9月中旬〜10月初旬は空気が澄んで特によく見渡せます。9月下旬には紅葉も始まります。
【問い合わせ】白山手取川ジオパーク推進協議会事務局/TEL:076-274-9564 ホームページはこちら
(出典:「旅行読売」2023年9月号)
(Web掲載:2023年9月28日)