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【桜の咲く駅へ】のと鉄道で行く能登鹿島駅(1)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 石川県
> 穴水町
見頃
4月中旬
【桜の咲く駅へ】のと鉄道で行く能登鹿島駅(1)

桜の見頃にはホームも人でいっぱいになる能登鹿島駅

 

海辺の小さな無人駅にできる桜のトンネル

能登半島の中ほどにある能登鹿島駅は、人気の花見スポットだという。花見と言えば川べりや公園などが定番だが、駅、しかも海辺の小さな無人駅と聞くと旅心が刺激され、訪れてみたくなった。

金沢駅から特急能登かがり火に乗り、七尾駅でのと鉄道に乗り換えた。のと鉄道は、能登半島の中央部を七尾湾沿いに走るローカル線。七尾駅から穴水駅まで、8駅約33㌔を結ぶ。ワンマン運転の1両編成の列車は、海と里山が織りなす田園風景の中を進む。30分ほどで右手に七尾湾の眺望が開けた。穏やかな海と昔ながらの黒瓦の家々を眺めているうちに、目的地の能登鹿島駅に着いた。

観光列車と能登の風景が描かれた、のと鉄道の鉄印
桜のシーズンは駅前も見物客でにぎわう(写真/石川県観光連盟)
屋根に風見鶏がついたかわいらしい能登鹿島駅の駅舎

「能登さくら駅」の愛称を持つ駅には、アーチ型の窓が特徴的な桜色の木造駅舎が立つだけ。駅前には店もなく、視界いっぱいに海が広がる。静かな無人駅だ。ホームの両側と駅周辺に約100本のソメイヨシノがあり、満開になると桜のトンネルを形作る。桜と青い海とローカル線がそろう風景は、多くの人々を魅了するのだろう。取材で訪れた2月初めはひっそりしていたが、花見客でにぎわう様子が想像できた。晴れた日は、海越しに残雪の立山連峰も見えるという。ホームでのんびり海を眺めながら、緩いカーブの向こうから桜のトンネルをくぐってやってくる列車を待ってみたくなった。

文/出口由紀

 

【桜の咲く駅へ】のと鉄道で行く能登鹿島(2)へ続く

 

能登城山餅

穴水の和菓子屋・泉花月堂で、1921年の創業時から作られている和菓子。卵白の入った求肥(ぎゅうひ)でこし餡を包んでいる。口当たり滑らかで、上品な味わいだ。8個入り1037円。

■TEL0768-52-0203(泉花月堂


能登鹿島駅

見頃:4月中旬

ホームの両側や駅周辺に、約100本が植えられている。七尾線が開通したのを祝い、地元住民らが植樹した。無人駅だが、桜の季節はぼんぼりが設置されて花見ムードが演出される。花見客やカメラを持った鉄道マニアでホームがいっぱいになるほどのにぎわいに。2021年、NHKのドキュメンタリー番組でも紹介され、話題となった。

■TEL0768-52-4422(のと鉄道︎)

 

(出典:「旅行読売」2023年4月号)

(Web掲載:2023年3月30日)

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Writer

出口由紀 さん

美味しいものには目がないライター。その土地の空気の中で味わう新鮮な特産品や郷土料理は、旅ならではの醍醐味だと思っている。最近感動したのは、生でかじった北海道の白いトウモロコシと夏の日本海の岩ガキ。土地それぞれの言葉を聞くのも好きで、一期一会の出会いと会話を楽しみながら旅をする。

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