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【桜の咲く駅へ】のと鉄道で行く能登鹿島駅(2)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 石川県
> 穴水町
見頃
4月中旬
【桜の咲く駅へ】のと鉄道で行く能登鹿島駅(2)

穏やかな海をバックに美しい桜が映える能登鹿島駅

 

穴水で海鮮丼を味わい、和倉で名湯につかる

【桜の咲く駅へ】のと鉄道で行く能登鹿島駅(1)から続く

桜は旧国鉄七尾線の開通を祝って、1932年に地域住民らによって植えられたのが始まり。今も地元住民で構成される能登鹿島駅さくら保存会が中心になり、下草刈りや施肥などの手入れを欠かさない。樹木医など専門家にも見てもらっているそうだ。そのかいあって、植樹当初からの老木もたくさんの花を咲かせる。

保存会会長の堂前(どうまえ)勇次郎さんは、「毎年頑張って咲いてくれる。これからも大切にしたい」と話す。県内外から桜を楽しみに多くの人が訪れるにぎわいも、活動の励みになるようだ。桜は大切にされ90年の時を経て、人々は桜をいとおしみ守り続ける。幸せな人と桜の関係に、なんとも温かい気持ちになった。

能登鹿島駅からもう一駅乗り、終点の穴水駅に向かった。目的は「能登丼」。奥能登産のコシヒカリや水を使い、メイン食材に能登産の魚介類や肉などを盛り付けたご当地丼だ。穴水駅前の能登前 幸(こう)寿しで、寒ブリや甘エビ、ヒラメなど地元で獲れた海の幸たっぷりの「海鮮能登丼」を味わった。

和倉温泉駅まで戻り、今夜の宿へ。七尾湾に面して温泉宿が立ち並ぶ。約80度の高温の源泉は無色透明のナトリウム・カルシウム―塩化物泉で、塩分を豊富に含む。和倉温泉までは土・日曜と祝日に運行されている観光列車「のと里山里海号」に乗るのもいい(追加料金500円)。快適な座席と豪華な内装で、アテンダントによる解説が付く。大きな窓から沿線の桜の風景が楽しめる。

源泉が湧き出る和倉温泉湯元の広場では、温泉卵を作れる

翌日は金沢の桜を観賞する。兼六園は石川県を代表する桜の名所として知られる。約40種、約420本の桜があり、兼六園菊桜という珍しい品種も見られる。隣接する金沢城公園は、石垣沿いのソメイヨシノが見事。兼六園から徒歩15分の主計町(かずえまち)茶屋街も、浅野川沿いの桜並木と風情ある茶屋の家並みが絵になり、おすすめの花見ポイントだ。

文/出口由紀

落ち着いた雰囲気の主計町の夜桜(写真/石川県観光連盟)

能登前 幸寿し

穴水駅の駅前のすし店。海鮮能登丼(2000円)は、地元で獲れた魚介類が10種以上のっている。穴水能登丼(4000円)は、さらに魚の種類や数が増える。どちらも地元産コシヒカリを使い、珠洲(すず)焼の丼で提供。あら汁も付いている。

■11時30分~14時(平日昼は前日までに要予約)、17時~23時30分/水曜休/穴水駅からすぐ/TEL0768-52-2114

幸寿しの海鮮能登丼。プレゼントの箸もつく

兼六園

加賀藩の歴代藩主によって江戸時代に作られた回遊式庭園で、国の特別名勝。水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに日本三名園と称される。広さ約11.4㌶の園内には8000本以上の樹木が植えられ、冬の雪づり、春の桜、秋の紅葉など四季折々の景観を楽しめる。

■7時~18時(時期により異なる)/無休/320円(観桜期に無料開園期間あり。開花後に日程を決定)/TEL076-234-3800(石川県金沢城・兼六園管理事務所)

兼六園は「日本さくら名所100選」にも選ばれている(写真/金沢市)


Writer

出口由紀 さん

美味しいものには目がないライター。その土地の空気の中で味わう新鮮な特産品や郷土料理は、旅ならではの醍醐味だと思っている。最近感動したのは、生でかじった北海道の白いトウモロコシと夏の日本海の岩ガキ。土地それぞれの言葉を聞くのも好きで、一期一会の出会いと会話を楽しみながら旅をする。

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