とっておきの北陸秋旅(2)【石川県】
~金沢市~
ライトアップされた鼠多門と鼠多門橋。写真提供:石川県公園緑地課
新スポットが続々登場! 気ままに金沢さんぽ
加賀百万石の城下町・金沢。今年、市中心部に登場した二つのスポットに注目が集まっている。
北陸新幹線の金沢駅からバスで7分。7月、金沢城公園の西側には鼠多門(ねずみたもん)と鼠多門橋が約140年ぶりに復元整備された。鼠多門は石垣の上に木造二階建ての櫓を備えた門で、腰壁の海鼠壁の目地に黒漆喰が用いられているのが特徴。鼠多門橋は、鼠多門と道を隔てた尾山神社を結ぶ。尾山神社が立つ場所は、江戸時代は「金谷出丸」と呼ばれた金沢城の郭の一つで、隠居した藩主や藩主家族が住む「金谷御殿」があり、堀を隔てた玉泉院丸へと渡る鼠多門橋がかかっていた。
また、10月25日には、鼠多門から歩いて15分ほどの本多の森公園に国立工芸館(正式名称:東京国立近代美術館工芸館)が開館予定だ。工芸館が所蔵する人間国宝と日本芸術院会員の全作品(約1400点)を含む、美術工芸作品約1900点が移転する。
建物は、旧陸軍の第九師団司令部庁舎と、将校達の社交場だった金沢偕行社だ。明治期の洋風建築を今に伝え、いずれも国の登録有形文化財。建設当時の色や姿に戻して、移築・復元された。
鼠多門・鼠多門橋の完成により、長町武家屋敷跡から尾山神社、金沢城公園、兼六園、そして本多の森公園へ続く新たな観光ルート「加賀百万石回遊ルート」が誕生。秋風吹く城下町を思い思いに巡ろう。
加賀百万石回遊ルート「SAMURAIパスポート」
兼六園をはじめ、ルート上の12施設に2日間何度でも入れるパスポート1000円を販売(翌3月31日まで。国立工芸館など3施設は入館料割引)。宿泊券などが当たるスタンプラリーも実施中(翌2月28日まで)。パスポート利用施設、販売所など詳細は、公式サイトまで。