とっておきの北陸秋旅(3)【福井県】
~福井市、敦賀市~
一乗谷朝倉氏遺跡の復原町並にある展示
大河ドラマの舞台へ! 戦国の世を駆けた光秀の足跡
福井県内には、大河ドラマ「麒麟がくる」で注目される戦国武将・明智光秀の足跡が各地に残る。美濃(岐阜県)を追われた光秀は、越前(福井県北部)で10年ほど過ごしたとされる。坂井市にある称念寺の門前で暮らしていた頃、妻の熙子が自慢の黒髪を売り、光秀主宰の連歌の会の費用を工面したという美談が伝わっている。
越前で光秀が仕えたとされる朝倉氏は、5代103年にわたり越前を治めていた。一乗谷には、朝倉館跡や庭園、後の室町幕府15代将軍足利義昭が滞在した御所・安養寺跡など多くの遺構が残る。復元された町並や遺構を眺めていると、当時の城下町の賑わいや人々の暮らしが偲ばれ、歴史ロマンを感じる。
その後、光秀は織田信長に仕え、若狭(敦賀)で活躍の時を迎える。越前に攻め入ろうとする信長に、義弟の浅井長政謀反の知らせが届く。お市の方が両端を縛った小豆袋を兄の信長に送り、朝倉と浅井の挟み撃ちを伝えたという。織田勢は急きょ退却、光秀は木下藤吉郎(豊臣秀吉)と共に殿を務め、退却を成功させる。
舞台となった金ヶ崎城址には、現在は金崎宮が立つ。お市の方が信長に送った小豆袋をモチーフにしたお守りが人気を集めている。