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【新・日本の絶景】故郷に笑顔と未来をつくる「世界一美しいコンビニ」(1)

場所
> 那賀町
見頃
10月末~11月末
【新・日本の絶景】故郷に笑顔と未来をつくる「世界一美しいコンビニ」(1)

「未来コンビニ」のロゴデザインは未来へと続く光の輝きをモチーフにしている(ⒸKITO DESIGN HOLDINGS)

国内外の賞を11冠も獲得した先進的なデザイン

清流・那賀川が美しい徳島県西部の山あいに位置する那賀町木頭(きとう)地区に、世界から注目される新絶景が生まれた。開放的なガラス張りの外観に、特産の木頭柚子(ゆず)の畑と実を表現した黄色い柱。「世界一美しい」と謳(うた)う未来コンビニだ。

国際的な多くのデザイン賞に輝き、店内にも掲示されている

世界三大デザイン賞の「Red Dot Design Award(レッド・ドット・デザイン・アワード)」をはじめ、国内外の建築・デザインに関する賞を11冠も獲得。評価されたのは、未来感あふれる店のデザインだけではない。

「豊かな自然や、香り高く酸味が強い日本一の品質を誇る柚子。この地にあるものと共生し、暮らす人も訪れる人も笑顔になり、持続可能なビジネスと地域をつくる。ハコモノだけでなく、地方創生の取り組みが世界に認められました」

雨が多く寒暖差が激しい風土が育む木頭柚子。収穫期の11月は畑が黄金色に染まる

そう語るのは、運営会社「KITO DESIGN HOLDINGS(キトウ・デザイン・ホールディングス、KDH)の宮脇貴之さん。木頭地区は人口1000人弱で、65歳以上が6割強の限界集落だ。買い物は最寄りのスーパーまで車で1時間以上かかり、バスは1日5便だけ。不便な生活弱者の暮らしを変えたいと、木頭出身の実業家・藤田恭嗣(やすし) さんが故郷の創生に向け、2017年にKDHを設立。20年に未来コンビニを開業した。

店内では30種以上のオリジナル柚子商品を扱う
無料で休憩できる屋外テラス。澄んだ夜空にきらめく満天の星も魅力だ

生活を便利にするコンビニだけではなく、木頭柚子の栽培・収穫・加工商品開発も支援。農業・製造業・小売業を一体的に推進する「6次産業化」のビジネスとして、住民が働く職場を増やしつつ、観光や移住で外から人を呼び込む仕組みを作る。現在進行形で続く挑戦が、「世界一の美しさ」に磨きをかけている。

文/清水章弘 写真/泉田道夫ほか

【新・日本の絶景】故郷に笑顔と未来をつくる「世界一美しいコンビニ」(2)へ続く(2/5公開予定)

 

未来コンビニ

ベストシーズン:10月末~11月末
営業時間:11時~17時30分/水曜休
交通:牟岐線桑野駅からバス2時間30分、六地蔵下車すぐ/徳島南部道徳島津田ICから国道195号経由105㌔
TEL:0884・69・2620

※料金などはすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年2月号)
(Web掲載:2024年2月4日)

 


Writer

清水章弘 さん

出版社、専門紙記者を経てフリーランスの文筆業に。旅の散策に街歩き、文化財を護る伝統技術、企業ルポなどをテーマに現場取材を続ける。47都道府県を巡りながら、ご当地の日本酒とバウムクーヘンを味わうのが楽しみ。

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