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【新・日本の絶景】故郷に笑顔と未来をつくる「世界一美しいコンビニ」(2)

場所
> 那賀町
見頃
10月末~11月末
【新・日本の絶景】故郷に笑顔と未来をつくる「世界一美しいコンビニ」(2)

自然に溶け込む設計。三角形を組み合わせたトラス構造の柱は柚子畑、鮮やかな黄色は柚子の実をイメージ(ⒸKITO DESIGN HOLDINGS)

未来を担う子どもたちのために

【新・日本の絶景】故郷に笑顔と未来をつくる「世界一美しいコンビニ」(1)から続く

もう一つ、「未来」の名に込められた願いがある。地域の子どもたちに、多様な情報に触れて豊かな感性を養う場所を提供することだ。店内のフリースペースでは、絵本の読み聞かせや地元の良さを再発見する「ふるさと学習」などの体験イベントを開催。「欲しいものを見つけて小遣いで買う。都市部では当たり前の経験がなかった木頭の子どもたちが、買い物や学びを通して想像力を膨らませ、みんなの未来をつくっていけるように。子どもは未来から来た未来人ですから」と宮脇さんは話す。

高さ140センチと棚が低く、見やすく開放的な店内

世界に賞賛された〝映えスポット〟には多い日で2000人が訪れ、真っ先に全景を記念撮影する姿が見られる。店内に足を踏み入れると、正面の棚に木頭柚子のオリジナル商品がずらりと並び、柚子サバ缶や柚子ポン酢が人気。弁当や菓子、調味料なども充実している。住民の生活必需品と観光客の土産物。それぞれのニーズを考え、バランスやレイアウトに工夫を凝らす。

店づくりも「人に優しく」を心掛ける。子どもの目線に合わせた低い棚は、商品を手に取りやすいと高齢者にも好評だ。店内からガラス越しに山並みを一望し、夜は屋外テラスで星空ショーを見上げる。自然と共生するコンビニならではの風景だ。

併設のYUZU CAFEではオリジナルの柚子スイーツを堪能できる

「KITO YUZU(キトウ・ユズ)」のブランドは海外にも広まり、全国の柚子栽培地の苗木の多くは木頭系で柚子の故郷でもある。店内に併設する「YUZU CAFE(ユズ・カフェ)」では搾りたての果汁「ゆずショット」などのメニューがそろい、木頭柚子の香りや酸味を楽しめる。

木頭に移住した外国人が運営する滞在型のゲストハウスもオープンした

徳島と高知を結ぶ国道沿いの「通過点」にすぎなかった地域を、多くの人が訪れる「目的地」へと変貌させた未来コンビニ。近隣にはグランピング施設の「CAMP PARK KITO(キャンプ・パーク・キトウ)」やゲストハウス「NEXT CHAPTER GUEST HOUSE(ネクスト・チャプター・ゲスト・ハウス)・木頭」などの滞在型宿泊施設もオープンした。ゆったりと時を過ごし、故郷と人々の笑顔が持続する未来に想いをはせるのもよさそうだ。

文/清水章弘 写真/泉田道夫ほか

(出典:「旅行読売」2024年2月号)
(Web掲載:2024年2月5日)

 

 

CAMP PARK KITO

手つかずの森と透明度の高い川に囲まれたキャンプ場。山岳リゾートのラグジュアリー感に包まれ、バーベキューや魚のつかみ取りなど自然体験のアクティビティーも充実。スパ(温泉露天風呂)は半身浴で四季折々の景色を楽しめる。

■火・水曜休/1室2万9700円~(最大6人)/徳島南部道徳島津田ICから国道195号経由97キロ/TEL:0884・64・8055

※料金などはすべて掲載時のデータです。

 


Writer

清水章弘 さん

出版社、専門紙記者を経てフリーランスの文筆業に。旅の散策に街歩き、文化財を護る伝統技術、企業ルポなどをテーマに現場取材を続ける。47都道府県を巡りながら、ご当地の日本酒とバウムクーヘンを味わうのが楽しみ。

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