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【美しき天守へ】四国の現存天守4城を制覇する 松山城・宇和島城・高知城・丸亀城(1)

場所
> 松山市、宇和島市、高知市、丸亀市
【美しき天守へ】四国の現存天守4城を制覇する 松山城・宇和島城・高知城・丸亀城(1)

標高132㍍の勝山山頂に立つ松山城の天守。紅葉風景も美しい

 

個性あふれる四つの城を2日間で列車で巡る

四国には、立派な天守や石垣を持つ名城が多い。第2次世界大戦での空襲などによる被害が比較的少なかったこともあり、江戸時代以前に建てられた現存天守12城のうち4城が四国にある。個性あふれる四つの城を2日間で列車で巡る欲張りな旅に出かけた。

まずは松山市のシンボル、松山城へ。関ヶ原の戦いで名を上げた加藤嘉明(よしあき)が初代藩主となり、1602年に築城を開始。約25年かけて完成したが、天守は1784年の落雷により焼失し、現在の建物は江戸後期の1852年に再建された。

天守への登城道は四つあるが、この日は行きはロープウェイ、帰りはリフトを利用。山頂駅から登城道を進むと、本丸の大手に着く。石垣沿いの折り返しの道や筒井門、隠門(かくれもん)など堅固な造りに感動しながら本丸広場へ。その先に天守と小天守を渡櫓(わたりやぐら)でつないだ連立式天守が見えた。

壁の狭間(さま)や精巧に積まれた石垣など、攻守に優れた松山城の片りんが随所に
松山城はリフトやロープウェイからの開放的な景観も必見
松山城の天守からの眺め。天気の良い日は瀬戸内海の島々や西日本最高峰の石鎚(いしづち)山も見える

高さ約30メートルの天守は、標高132メートルの勝山山頂にあり、現存12天守の平山城の中で一番の高所にある城郭だ。最上階からは石垣や櫓(やぐら)とともに松山平野を360度見渡せた。勝山は常緑樹が多いが、11月下旬~12月上旬には本丸広場ではカエデ、松山城二之丸史跡庭園ではモミジなどが鮮やかに色付く。

本丸に店を構える軽食・喫茶の城山荘で休憩した後は、予讃線で宇和島へ。標高73メートルの丘陵地に、城造りで名をはせた藤堂高虎(とうどうたかとら)らが1596年に築城を始めた宇和島城が立つ。小ぶりながらも洗練された天守から宇和海まで一望できた。その日は高知まで移動し、1泊した。

宇和島城の天守。現在の建物は2代藩主伊達宗利が1666年頃に改修
目の前に宇和海が広がる宇和島城の天守からの景色
宇和島城の天守内には初代藩主伊達秀宗らの甲冑レプリカが展示されている

文/児島奈美
写真/泉田道夫

【美しき天守へ】四国の現存天守4城を制覇する 松山城・宇和島城・高知城・丸亀城(2)へ続く(11/2公開予定)

モデルコース(移動時間 約8時間30分)

【1日目】
松山駅
↓ 電車13分+徒歩5分+ロープウェイ3分
❶松山城
↓ 徒歩すぐ
❷城山荘
↓ ロープウェイ3分+徒歩5分+電車13分
松山駅
↓ 電車1時間20分
宇和島駅
↓ 徒歩15分
❸宇和島城
↓ 徒歩15分
宇和島駅
↓ 電車3時間23分
高知駅泊

【2日目】
❹高知城
↓ 徒歩3分
❺ひろめ市場
↓ 徒歩10分+電車12分
高知駅
↓ 電車1時間50分
丸亀駅
↓ 徒歩15分
❻丸亀城
↓ 徒歩15分
丸亀駅

城下町グルメ

城山荘 ◉軽食・喫茶・お土産

松山城の本丸広場にあり、地元名物を気軽に味わえる。抹茶セット(700円)は、松山藩の初代藩主が長崎から伝えたのが起源といわれる松山銘菓、カステラ生地であんを巻いたタルト付き。

■9時~16時/無休/愛媛県松山市丸之内1/松山城ロープウェイ・リフト山頂駅から徒歩8分/TEL:089-941-4622

※掲載時のデータです。

四国の現存天守4城データ

松山城 <100名城>
築城:1627(寛永4)年完成/加藤嘉明
種類:平山城
天守:連立式三重三階地下一階(現存)
遺構:天守、乾櫓、野原櫓、紫竹門ほか
入城: 天守9時~16時30分(12月~1月は〜16時)/
無休(天守は12月第3水曜休)/天守 520円
御城印:あり(300円)。天守チケット売り場で販売
交通:伊予鉄道市内線大街道停留所下車徒歩5分、松山城ロープウェイ3分、またはリフト6分 
住所:愛媛県松山市丸之内1 
TEL:089-921-4873(松山城総合事務所)
※掲載時のデータです。

宇和島城 <100名城>
築城:1666(寛文6)年天守改修/伊達宗利
種類:平山城
天守:三重三階(現存)
遺構:天守、上り立ち門
入城: 天守9時~17時(11月~2月は〜16時)/無休
/天守 200円
御城印:あり(300円)。天守チケット売り場で販売
交通:予讃線宇和島駅から徒歩15分
住所:愛媛県宇和島市丸之内 
TEL:0895-22-2832
※掲載時のデータです。


(出典:「旅行読売」2023年11月号)
(Web掲載:2023年10月31日)

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Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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