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【美しき天守へ】四国の現存天守4城を制覇する 松山城・宇和島城・高知城・丸亀城(2)

場所
> 高知市、丸亀市、松山市
【美しき天守へ】四国の現存天守4城を制覇する 松山城・宇和島城・高知城・丸亀城(2)

4重に張り巡らされた石垣で防御された丸亀城天守

 

鷹城・高知城を見学し、石垣の名城・丸亀城へ

【美しき天守へ】四国の現存天守4城を制覇する 松山城・宇和島城・高知城・丸亀城(1)から続く

2日目はまず高知城へ。関ヶ原の戦いの功績で土佐藩の初代藩主となった山内一豊(かつとよ)が建てた、鷹城の別名を持つ端正な城だ。天守は1727年の火災で焼失し、現存の建物は1749年の再建。最上階にはベランダのような廻縁(まわりえん)があり、ぐるりと一周して高知市街の眺めを楽しめる。「廻縁の手すりが黒色なのは漆塗りだから。寺社などで見られる擬宝珠(ぎぼし)も装飾されています」とボランティアガイドが教えてくれた。

標高45メートルの大高坂(おおたかさか)山の上に築かれた高知城
高知城の天守は望楼型なので、廻縁に出て市街地を眺められる

城を出た後は、ひろめ市場に寄って名物のカツオのたたきや総菜などを買い込み、列車内で食べながら丸亀へ向かった。最終目的地の丸亀城は、駅から徒歩15分ほどの標高66メートルの亀山に立つ。

讃岐国に封ぜられた生駒親正(ちかまさ)・一正親子が1597年に着工し、丸亀藩主の京極高和(きょうごくたかかず)が1660年に完成させた。「石垣の城」と呼ばれるだけあり、山麓から山頂まで4重の石垣は合計約60メートルあり、日本一の高さとされる。駅から歩いて丸亀城が見えた時、高くそびえる石垣に圧倒された。残念ながら、石垣の一部は2018年の西日本豪雨で崩落し、復旧工事が進められている。

丸亀城の石垣修復工事により単独の石垣の高さでは全国2位の31メートルだったことも分かった

石垣を仰ぎ見ながら大手一の門、二の門をくぐり、天守に向かう急坂の見返り坂を上る。途中「扇(おうぎ)の勾配(こうばい)」と呼ばれる独特の反りのある見事な石垣に感嘆しながら本丸へ。天守は高さ約15メートルと小さいが、最上階からは市街地の向こうに瀬戸内海や瀬戸大橋が望めた。11月5日(2023年)までは石垣をライトアップし、天守も土・日曜、祝日は夜間営業をしているため、幻想的な城や市街の夜景を楽しむのもよい。

丸亀城天守からの景観。讃岐富士と呼ばれる飯野山も見える
「丸亀城キャッスルロード2023」では大手門から天守までの道に灯りがともる(写真/丸亀市)

急ぎ足の旅だったが、さすがに現存天守4城は名城ぞろい。天守からの眺めも一級品で胸が躍った。

文/児島奈美
写真/泉田道夫

モデルコース(移動時間 約8時間30分)

【1日目】
松山駅
↓ 電車13分+徒歩5分+ロープウェイ3分
❶松山城
↓ 徒歩すぐ
❷城山荘
↓ ロープウェイ3分+徒歩5分+電車13分
松山駅
↓ 電車1時間20分
宇和島駅
↓ 徒歩15分
❸宇和島城
↓ 徒歩15分
宇和島駅
↓ 電車3時間23分
高知駅泊

【2日目】
❹高知城
↓ 徒歩3分
❺ひろめ市場
↓ 徒歩10分+電車12分
高知駅
↓ 電車1時間50分
丸亀駅
↓ 徒歩15分
❻丸亀城
↓ 徒歩15分
丸亀駅

城下町グルメ

ひろめ市場

幕末に土佐藩主山内家に4代にわたって仕えた名家老、深尾弘人蕃顕(ふかおひろめしげあき)の屋敷があった場所に立つ市場。高知の食文化を「ひろめる」という意味もあり、地元の総菜店や土産店など約60店が営業している。

■10時~23時、日曜は9時〜23時(店舗により異なる)/不定休/高知県高知市帯屋町2-3-1/とさでん交通大橋通停留場から徒歩2分/TEL:088-822-5287

※掲載時のデータです。

四国の現存天守4城データ

高知城 <100名城>
築城:1603(慶長8)年本丸・二ノ丸完成/山内一豊
種類:平山城
天守:四重五階(現存)
遺構:天守、本丸御殿、黒鉄門ほか
入城: 9時~16時30分/無休(天守は12月26日~1
月1日休)/天守 420円
御城印:あり(200円)。高知城入口入場券売り場で販売
交通:とさでん交通高知城前停留場下車徒歩3分
住所:高知県高知市丸ノ内1-2-1
TEL088-824-5701(高知城管理事務所)
※掲載時のデータです。

丸亀城 <100名城>
築城:1660(万治3)年天守完成/京極高和
種類:平山城
天守:三重三階 (現存)
遺構:天守、大手一の門、大手二の門、御殿表門ほか
入城: 9時~16時、11月5日までの土・日曜、祝日は16
時~20時30分/無休/天守 200円
御城印:あり(300円)。天守内売店で販売
交通:予讃線丸亀駅から徒歩15分
住所:香川県丸亀市一番丁
TEL:0877-23-2107(丸亀城管理室)
※掲載時のデータです。


(出典:「旅行読売」2023年11月号)
(Web掲載:2023年11月2日)

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Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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