“都のたつみ”から巡る「光る君へ」ゆかりの地
宇治上神社。本殿は日本最古の神社建築。菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、応神天皇、仁徳天皇を祀る。
宇治、大原野、丹後、南山城へ。 紫式部と平安王朝の面影を探して、京都を巡る。
宇治で平安の王朝文化を体感
『源氏物語』の作者・紫式部と藤原道長を中心に、平安の王朝文化や権力闘争、男女の恋愛模様を描く大河ドラマ「光る君へ」。今年1月の放送開始以降、そのストーリー展開や多彩な登場人物が注目を集めている。
3月11日、京都府宇治市にある「お茶と宇治のまち交流館『茶づな』」を会場に、「光る君へ 宇治 大河ドラマ展~都のたつみ 道長が築いたまち~」が始まった。藤原道長の別荘「平等院鳳凰堂」や、平安貴族も楽しんだという「宇治川の鵜飼」で知られる宇治。平安京から見ての辰巳(=東南)の方角にあり、『源氏物語』では、光源氏亡きあと、子の薫と孫の匂宮が主役となる「宇治十帖」の舞台として描かれている。
大河ドラマ展では番組の衣装や小道具、ここでしか見ることができない特別な映像コンテンツなど、「光る君へ」の世界をより深く楽しめる為の展示と、藤原道長が築いた平安時代の宇治の文化や歴史を体感できる。開催期間は2025年1月13日まで。
宇治上神社は大河ドラマ展の会場から歩いて10分ほど。本殿は平安時代後期のもので、神社建築では現存で日本最古。『源氏物語』で薫が出会う八の宮の邸宅は、同社の辺りの想定と言われる。歩いてすぐの源氏物語ミュージアムでは「宇治十帖」の世界を中心に、平安の王朝文化を映像や展示で紹介。牛車や装束、調度品なども間近で見られる。
京都各地に点在する紫式部と“物語”のゆかり
紫式部が生まれ育った「蘆山寺」や、藤原道長の邸宅だった「土御門第跡」等、紫式部ゆかりの地は都の中心だった現在の京都市内に残る。一方で、“都のたつみ”の宇治をはじめ、北は丹後、西は大原野、南は笠置まで、物語の舞台やゆかりの人々の足跡は、京都府内各地に点在している。
天橋立は、紫式部が天才歌人として絶賛した和泉式部が、丹後守に任ぜられた夫・藤原保昌ととも丹後に下り、歌を詠んだと伝わる地。夫が任を解かれて都に戻った後も独り丹後に残り、晩年を過ごしたと言われる。
京都市西部にある大原野神社は、紫式部が仕えた中宮彰子に従い参詣し、『源氏物語』にも冷泉帝の行幸の場面で描かれている。境内の「春日乃茶屋」では名物・よもぎ団子で一服できる。
京都府南部の南山城地域にある笠置寺の本尊は、岸壁に彫られた弥勒菩薩。円融院(円融天皇)や藤原道長も参詣した。京都府内各地に残る、紫式部と藤原道長、『源氏物語』ゆかりの地。この春に訪ねてみてはいかがだろうか。
「光る君へ」ゆかりの地で楽しみたい、スイーツ3選
「光る君へ 宇治 大河ドラマ展~みやこのたつみ 道長が築いたまち~」
宇治市菟道丸山203-1(お茶と宇治のまち交流館『茶づな』)/9時~16時30分/500円(各種セット券あり)/ TEL:075-353-0870(光る君へ 宇治 大河ドラマ展 運営管理事務局)
宇治上神社
宇治市宇治山田59/9時~16時10分/ TEL:0774-21-4634
源氏物語ミュージアム
宇治市宇治東内45-26/9時~16時30分/月曜休/600円/ TEL:0774-39-9300
天橋立
宮津市文殊天橋立公園
大原野神社
京都市西京区大原野南春日町1152/TEL:075-331-0014
笠置寺
笠置町笠置山29/9時~16時/ 300円/TEL:0743-95-2848
[京都の観光についての問い合わせ]
京都総合観光案内所「京なび」
京都市下京区烏丸通塩小路下る 京都駅ビル2階
TEL:075-343-0548
(Web掲載:2024年3月27日)