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山陰の城下町、萩・津和野を巡り SLやまぐち号にも乗車【フリーきっぷであの駅へ・青春18きっぷ編】

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山陰の城下町、萩・津和野を巡り SLやまぐち号にも乗車【フリーきっぷであの駅へ・青春18きっぷ編】

山陰ののどかな里山を走るSLやまぐち号(写真/吉永昂弘)

 

青春18きっぷ2回利用で4080円お得!

山口線を走る「SLやまぐち号」が2024年5月、2年ぶりに運行を再開した。指定席料金1680円を支払えば青春18きっぷでも乗れる。西日本で唯一走るSLと、山陰を代表する二つの城下町、萩と津和野を巡る旅に出かけた。

出発は博多駅。区間快速で1時間20分ほどの小倉駅で乗り換え、関門トンネルを抜けて山口県へ入る。厚狭(あさ)駅で乗り換える美祢(みね)線は、23年の豪雨被害により運休中だが、代行バスが走り、青春18きっぷで乗車できる。長門市(ながとし)駅で山陰線に乗り継ぎ、日本海を眺めながら40分ほどで目的地の東萩駅に着いた。

山口県北部、毛利家36万石の居城が築かれ、城下町として栄えた萩は、レンタサイクルで巡るのがおすすめ。今も江戸時代の碁盤目状の町割りや、なまこ壁、黒板塀などの建物が残る。維新の志士ゆかりの地が多く点在し、松下村塾のほか「萩城下町」が世界遺産に登録されている。今回は2日間のコースだが、3日間のコースにして2日目は青春18きっぷを使わず萩をゆっくり見て回るのもいい。

白壁となまこ壁が美しい萩の菊屋横町は、「日本の道100選」に選ばれている。高杉晋作の生誕地もある

翌日は日本海沿いを東へ進み、益田(ますだ)駅から山口線へ。高津川、津和野川沿いに、赤い石州(せきしゅう)瓦を載せた家が点在する山里の風景は山陰ならでは。約40分で津和野駅に到着。木をふんだんに使ったモダンなデザインの駅舎を後に、まずは腹ごしらえ。駅すぐのお食事処みのやの郷土料理・うずめ飯(めし)は、質素倹約が推奨された江戸時代に贅沢(ぜいたく)が悟られないように具材をご飯の下に隠したのだとか。だしが利いた滋味深い味わいだ。食後は、なまこ壁の武家屋敷が並ぶ殿町通りを散策した。

津和野駅。2022年に開業100周年を記念して、木のぬくもりあふれる駅舎にリニューアル。観光案内所や売店などを併設
ネスコ無形文化遺産の「津和野の鷺舞」は7月20・27日に開催
山陰の小京都と呼ばれる津和野

駅に戻りいよいよSL乗車だ。16時12分発のSLやまぐち号は豪快に煙をはきながら、のどかな田園風景の中を力強く走る。客車は木製の座席や荷棚の装飾、真鍮(しんちゅう)製の窓錠などが再現され、昭和にタイムスリップしたよう。SLの仕組みや歴史を学べる展示スペースもあり、まさに動く博物館だ。青春18きっぷで巡るレトロな街と列車の旅に大満足し、終着の新山口駅から博多駅へ戻った。

文/児島奈美

SLやまぐち号

「デゴイチ(D51形200号機)」または「貴婦人(C57形1号機)」の愛称で親しまれる蒸気機関車が牽引(けんいん)する山口線の臨時快速列車。SLの運行は1973年9月に終了したが、SLファンや地元の要望で79年8月に復活。炭水車の不具合のため2022年から運行を中止していたが、2024年5月に再開した。

■7月~11月の土曜、休日に運行(8月は1・2日も運行)。新山口発10:54、津和野発16:12/指定席料金1680円、グリーン料金2500円(乗車区間の運賃が別途必要)/TEL:0570-00-2486(JR西日本お客様センター)

味わいたい郷土の味覚

  

お食事処みのや

鶏肉や野菜などの具を白飯で隠した郷土料理・うずめ飯(800円)は、だしをかけて味わう。山菜など具だくさんのしこたまうどん(900円)も人気。店内からは走行する列車も見える。

■10時~17時/水曜(祝日の場合は翌日)休/山口線津和野駅からすぐ/TEL:0856-72-1531

●モデルコースは2024年5月15日現在の時刻で作成しました。掲載している路線名は主なものです。
●青春18きっぷの2024年度・夏季用の発表は現時点でないため、仕様や料金が変更になる場合があります。
●「~円お得」は、モデルコースを通常の鉄道運賃・料金で回った場合と、お得きっぷを使った場合との差額です。
●施設の営業時間は、最終入館やラストオーダーがある場合は、その時間を記しています。

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年7月号)
(Web掲載:2024年6月10日)


Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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