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日本遺産を旅する ~多彩なプログラム、ガイドツアー、 施設も登場!~

日本遺産を旅する ~多彩なプログラム、ガイドツアー、 施設も登場!~

鵜飼は、日本遺産の構成文化財の一つ ※写真提供:(公財)岐阜観光コンベンション協会

 

地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統を語るストーリーを認定する「日本遺産」。現在、104のストーリーがある。地域に点在する文化財、史跡・名勝、芸能、祭などをストーリー(物語)で結び、巡れるのが「日本遺産の旅」の醍醐味だ。

また、特別御朱印の発行や伝統芸能の特別披露、発信拠点の開設、ガイドツアーなどが実施され、日本遺産の旅をもっと身近に楽しめる。今年の夏は“日本を知る”旅へ出かけよう。

「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜

信長が築城した岐阜城

【岐阜県】 岐阜市
織田信長が天下統一の拠点として築いた岐阜城の城下町は楽市楽座で経済が活性化し、長良川の舟運を使った商業都市として発展した。信長は賓客を長良川の鵜飼観覧に招いた。鵜飼で獲れる鮎は古代から美濃の特産品で、日本独自の文化として現代まで受け継がれている。鵜飼は5月11日から10月15日まで、ほぼ毎日行われる。かがり火が焚かれ、縄でつながれた10羽ほどの鵜を巧みに操る鵜匠を間近に見ることができる。
■3500円/TEL:058-262-0104

 

星降る中部高地の縄文世界

-数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅-

縄文時代の造形美の象徴「縄文のビーナス」
かわいらしい御朱印帳で「集印の旅」を楽しむ

【長野県、山梨県】 茅野市、甲府市など
八ヶ岳を中心とした中部高地には縄文時代の黒曜石鉱山があり、矢じりの材料として縄文人が掘り出した黒曜石のかけらが一面に残る。キラキラ輝くかけらは星が降り積もったと信じられてきた。構成文化財である土偶など33点を御朱印にした「三十三番土偶札所巡り」を実施中(期間未定)。国宝「土偶」(縄文のビーナス)を展示する茅野市尖石(とがりいし)縄文考古館など17施設で押印してもらえる。ピンク色の御朱印帳(1980円)も新登場。
■御朱印無料(各施設入館料は必要)/TEL:026-235-7441(長野県文化振興課)

 

1300年つづく日本の終活の旅

~西国三十三所観音巡礼~

第一番札所の那智山青岸渡寺
第二十七番札所の書寫山圓教寺

【岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県】 姫路市、那智勝浦町など
718年、病で仮死状態になった徳道上人が閻魔大王から「人々を救うために観音霊場を開き、巡礼を勧めなさい」と33の起請文と宝印を授かったとされ、礎を築いた約1000キロの巡礼道。約270年後に花山法皇が再興した。現在、JR西日本ではアプリ「WESTER」を使った「西国三十三所めぐりデジタルスタンプラリー」を実施中。対象駅の「駅スタンプ」を集めると抽選で賞品が当たるほか、三十三所の「デジタル散華スタンプ」の満願で「特製散華セット」が授与される。2026年3月末まで。
■TEL:06-6352-3159(JR西日本)

 

絶景の宝庫 和歌の浦

~詠い継がれる、美しき風景~

万葉集にも詠まれた和歌の浦
9月にオープンする 新施設「あしべ庵」(イメージ)

【和歌山県】 和歌山市、海南市
和歌川河口の干潟を中心に広がる景勝地。724年、当地に行幸した聖武天皇が眺望に感動し、玉津島の神と明光浦霊を祀り、この風景を末永く守るように命じた。同行した山部赤人が和歌の浦の情景を讃えて詠んだ歌が広く知られている。9月には和歌の浦を望む玉津島神社の隣りに、魅力発信と交流のための施設「あしべ庵」がオープン予定。2024年10月27日には「和歌の聖地・和歌の浦 誕生千三百年記念大祭」が玉津島神社など、和歌の浦周辺の複数会場で開催される。
■TEL:073-441-2727(和歌山県観光振興課)

 

日本海の風が生んだ絶景と秘境

~幸せを呼ぶ霊獣・麒麟が舞う大地「因幡・但馬」~

霊獣・麒麟の頭を被った獅子舞 ※写真提供:鳥取県
多くの文人墨客を魅了した浦富海岸

【鳥取県、兵庫県】 鳥取市、岩美町、八頭町、若桜町、智頭町、新温泉町、香美町
鳥取砂丘や浦富海岸をはじめ、日本海からの季節風が育む美しい景観を有する因幡・但馬地方(鳥取県東部~兵庫県北部)。ここでは、350年以上前から幸せを呼ぶ「麒麟獅子舞」が奉納されてきた。春、秋を中心に約140の神社で舞われる。2024年8月25日、鳥取・岩美町の中央公民館で「とっとり日本遺産フォーラム&麒麟獅子舞フェスタ2024」が開催される。日本遺産の魅力を紹介する講演やパネルディスカッション、個性豊かな麒麟獅子舞の披露、ワークショップを実施する。
■無料/TEL:0857-26-7932(鳥取県とっとり弥生の王国推進課)

 

森林鉄道から日本一のゆずロードへ

~ゆずが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化~

随所に森林鉄道跡が残っている
ガイドの解説を聞きながら歩く

【高知県】 奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村
高知県東部の中芸地域はかつて、林業が盛んで木材を運搬するために森林鉄道が敷かれた。1960年以降、天然林が枯渇したため、新たな産業としてゆず栽培を開始。木材を運んだ「りんてつ」はゆずロードに生まれ変わった。多様なガイドツアーがあり、「魚梁瀬(やなせ)森林鉄道跡とゆずロードを訪ねて(安田川編)」では、インクラインや魚梁瀬森林鉄道乗車体験、ゆず工場見学など森林鉄道跡をたどる。
■4000円(弁当付き※自家用車利用の場合)/TEL:0887-30-1865

 

【知ってる?】しずおか遺産

日本遺産の静岡県版

駿河湾、富士山を望む絶景の日本平
伊豆の人気スポット、河津七滝にある銅像「踊り子と私」

2022年にスタートした「しずおか遺産」。県内の有形・無形の文化財をつなぐストーリーだ。徳川家康ゆかりの久能山東照宮をはじめ、その美しい眺望や古今の文化を紹介する『日本平が紡ぐ悠久の歴史文化回廊』や、川端康成ら文豪が魅せられた名湯や風景にまつわる『文学の聖地「伊豆」と温泉~癒しを求めた文豪たち~』など、現在まで五つのストーリーが認定。ひと味違った“静岡旅”を楽しめる。24年度も新たな認定を進めている。
■TEL:054-221-2554(静岡県文化財課)


※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2024年9月号)
(Web掲載:2024年8月2日)


Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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