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【鉄道ひとり旅】ローカル線でたどる武蔵野うどんと秩父そばの名店(1)八高線~秩父鉄道

場所
> 小川町、長瀞町、秩父市ほか
【鉄道ひとり旅】ローカル線でたどる武蔵野うどんと秩父そばの名店(1)八高線~秩父鉄道

「武蔵野うどんあそび」の肉汁うどん990円。つけ汁は塩味もちょうど良く、つゆにくぐらせて豪快に頬張りたい。うどんは普通盛りの400グラムでも十分な量で、腹持ちもいい

 

食欲の秋!埼玉の2大麺グルメを味わう旅に出た

食欲の秋が来た。埼玉の2大麺グルメ、武蔵野うどんと秩父そばを味わおうと、東京近郊を走るローカル線に乗って日帰り旅に出た。

八王子駅から八高線に乗り、高麗川(こまがわ)駅で乗り換える。高麗川駅以北、高崎駅手前の倉賀野(くらがの)駅までが非電化区間なので乗り換えが必要なのだ。キハ110系気動車に乗り込み、ディーゼルエンジンの心地よい振動に身を委ねながら、車窓を眺めていると小川町駅に着いた。駅前の商店街を抜け、30分近く歩き、「武蔵野うどんあそび」の暖簾(のれん)をくぐった。

「武蔵野うどんあそび」店内

店主の藤野広己(ひろみ)さんは「自分が食べたいうどんを作る」と十数年前、営んでいた割烹料理店をうどん専門店に鞍(くら)替えした。人気の肉汁うどんは、分厚い豚バラ肉と地元豆腐店の油揚げ、深谷ネギがふんだんに入ったつけ汁で食べる。1センチほどの極太うどんのコシの強さと弾力は想像以上だが、昆布とカツオのだしが利いた汁によく絡み、のど越しもいい。

左党は酒蔵も楽しめる。和紙の里として知られる小川町は水が良質で、酒処でもある。駅へ戻る途中にある晴雲(せいうん)酒造に寄った。旧仕込み蔵の2階の資料館で酒造りの道具を見学し、1階の売店で造りたての生酒や純米吟醸を試飲できる。道中飲めるのも鉄道旅のよいところだ。

文/田辺英彦 写真/阪口 克ほか

県道沿いに立つ晴雲酒造。右側の蔵はギャラリーで、隣接して地元の有機栽培野菜などを使った食事処「玉井屋」がある
仕込み蔵の2階が展示室になっている
売店では「晴雲」「金勝山」などの銘柄の酒を販売。9時〜17時/無休/見学無料/TEL0493-72-0055

武蔵野うどんあそび<小川町駅>

  

店内は靴を脱いで上がる。全24席。毎朝100食分のうどんを手打ちしている。通常の麺は400グラムだが、中もり550グラム50円増し〜特もり850グラム200円増しまで増量できる。ラーメン風スープの「濃厚背脂燕三条系肉うどん」1050円も人気だ。
■11時〜14時(売り切れ次第終了)/月曜休/八高線小川町駅から徒歩25分、またはタクシー5分/TEL0493-74-2778

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2024年11月号)
(Web掲載:2025年1月25日)


Writer

田辺英彦 さん

東京都大田区出身、埼玉県在住。旅行ガイドブック編集・執筆、出版業界誌執筆などを経てフリーランスに。東北・八幡平の温泉群と、低山ハイク、壊れかけたもの・廃れたものが好き。

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