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白みりん発祥地・流山さんぽ①

場所
> 流山市
白みりん発祥地・流山さんぽ①

切り絵行灯が迎えてくれる流山市白みりんミュージアム

調味料を代表する白みりんが誕生

料理に欠かせない調味料の一つ、みりん。生産量が全国シェア約40%を占めるのが千葉県だ。同県は野田や銚子のしょう油をはじめ日本酒やみそ造りも盛んで、昔から発酵文化が広く根付いている。大阪・関西万博に“発酵”をテーマに出展するほどだ。

中でも、江戸川沿いに広がる流山は「白みりん発祥地」で、その歴史は江戸中期までさかのぼる。豊かな水源と、原料のうるち米やもち米が盛んに作られていた環境があってこそ生まれた。

世間に清酒が広まるまで、みりんは甘い酒として親しまれていた。ウナギのたれやそばつゆに使われるようになり、調味料として欠かせない存在になった。当時は色の濃い褐色のみりんが一般的。これに対し、流山で酒造業を営んでいた二代堀切紋次郎と五代秋元三左衛門が、みりんの醸造技術を改良して甘みを増し、色の淡い澄んだ逸品に仕上げたのが“白みりん”だ。

白みりんの歴史や特徴を案内

そんな流山に2025年3月29日、流山市白みりんミュージアムがオープンする。白みりん二大ブランドの一つ、二代堀切紋次郎の「万上」の製造を受け継ぐ流山キッコーマンの工場のすぐそばだ。

ミュージアムではゲートを入って展示エリアへ
ミュージアムではゲートを入って展示エリアへ
無料展示エリアでは市内の観光案内もしている
無料展示エリアでは市内の観光案内もしている

楽しみながら「白みりん」体験

館内では白みりんに関し、歴史年表やシアター、ジオラマなどで紹介。アバターに変身した自分がスクリーン上に降ってくる麹をキャッチするゲームなどユニークな体験も多い。

中でも注目は本物の仕込桶。高さ、直径とも2㍍あり、桶の中に糖化熟成の様子が投影される。かいをにぎってかくはん疑似体験を楽しめ、かき回すと実際の重さを感じられるのがすごい。

かいを使ってかくはん疑似体験
かいを使ってかくはん疑似体験
郷愁を感じる顔出しパネルもおすすめ
郷愁を感じる顔出しパネルもおすすめ

流山の特産品も充実

併設のキッチンスタジオでは、ドレッシング作りなどみりん調理体験(有料)を楽しめる。ショップには白みりんをはじめ流山の特産品が並び、珍しいみりんソフトクリームも味わえる。

流山では、みりんの基礎知識をはじめ、流山や白みりんの歴史、みりん活用法などの知識を深めることが目的のご当地検定「流山白みりん検定」も実施している。公式テキストもあり、受検は無料でウェブ上で行われる。詳細はこちら   

館内では白みりんや醤油もろみドレッシングなど特産品を販売
館内では白みりんや醤油もろみドレッシングなど特産品を販売

<流山市白みりんミュージアム>  

【営業】9時~17時、月曜休(祝日の場合は翌日休)。有料展示エリア入場料300円

【交通】流鉄流山線平和台駅から徒歩5分/常磐道流山ICから約4km

【問い合わせ】TEL:04・7137・7343

(WEB掲載:2025年2月14日)

 

流山さんぽ②は、こちら


Writer

松田秀雄 さん

全国を取材で巡ること約30年。得意なテーマは「温泉」で、北海道・稚内温泉から沖縄・西表島温泉まで500湯・2000軒以上は訪れている。特に泉質は硫黄泉が好きで、湯上りに体を拭かず自然乾燥させるのがモットー。帰宅後、体に付着した硫黄成分が湯船に染み出して白濁する様子を見るのが好き。最近は飲泉への興味が強く、「焼酎割に適した温泉は?」を掲げて最高の一杯を探し中。旅行読売出版社・編集部に所属。

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