【5000円で日帰り満足旅】砂地のワイナリー「カーブドッチ」でこの土地ならではのワインを知る(2)

試飲風景。別料金でほかに気になったワインの試飲もできる
景色に触れると味わいも変わる
【5000円で日帰り満足旅】砂地のワイナリー「カーブドッチ」でこの土地ならではのワインを知る(1)から続く
畑を見学した後は、醸造室、樽熟成庫、セラーを巡り、ワイン造りの工程を学んだ。「ここでは年間約10万本のワインを醸造しています。華やかで軽やかながら口当たりのしっかりした、ここでしかできない味を醸すことを目指しています」とスタッフ。試飲では「私たちがほれ込んだ砂のニュアンスを感じてほしい」と、フランス語で「砂」を意味する「サブル」という名の白ワイン、赤ワインを提供。奥行きのある味わいの白、軽やかで広がりのある赤。ブドウ畑を吹き渡る潮風に吹かれているような爽快感に包まれた。



「コテアコテカフェ」で昼食をとり、ほかのワイナリーも訪ねた。カーブドッチ以外の4軒のワイナリーは、カーブドッチのワイン学校(経営塾)の卒業者が開業したもの。こうした取り組みは全国的にも珍しく、それぞれ個性的なワイン造りに取り組んでいる。砂利の小径(こみち)の先にブドウ畑が広がり、瀟洒(しょうしゃ)なワイナリーがたたずむさまは、ヨーロッパの田舎のようだった。
「この土地の景色を知ってほしい。そしてカーブドッチのワインを飲んだ時に、それを思い起こしてほしい」。カーブドッチのスタッフはそう話していた。帰りのバスの窓から、ブドウ畑の景色をもう一度、目に焼き付けた。海が、砂浜が見えた時、そっと窓を開けてその香りも記憶に残したくなった。
文/渡辺貴由 写真/齋藤雄輝
コテアコテカフェ


カーブドッチ内のカフェ。焼きたてのパンとランチが楽しめる。写真のソーセージパレットのほか、パスタランチ1850円、ベーカリーサラダランチ1850円なども。自家焙煎(ばいせん)珈琲(コーヒー)500円などでひと休みにと訪れる近隣からの客も多い。気候の良い日には、木陰のテラス席がおすすめ。ジェラート工房も併設している。
■10時~17時/無休/TEL0256-77-8637
新潟ワインコースト5番目の「ルサンクワイナリー」



2015年10月に新潟ワインコーストで5番目のワイナリーとしてオープン。「トラディショナルでエレガント」をモットーに、風土や品種の特徴を素直に生かした「香り高く優しい味わいのきれいなワイン造り」を目指している。ショップで試飲も可能。12月~7月は醸造庫の見学もできる。
■10時~16時/水曜休、不定休あり(事前に電話で確認を)/TEL0256-78-8490
※公式サイトはこちら
旅の予算総額

※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2024年12月号)
(Web掲載:2025年3月5日)