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【新・日本の絶景】山肌を埋め尽くすくしだれ桜「花見山」、海外からも注目の「大塚国際美術館」(2)

場所
> 鳴門市
【新・日本の絶景】山肌を埋め尽くすくしだれ桜「花見山」、海外からも注目の「大塚国際美術館」(2)

システィーナ礼拝堂の天井画と壁画「最後の審判」を再現したシスティーナ・ホールは必見。ミケランジェロの偉業を体感できる ※写真は大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです

 

世界の名画を旅するような美術館

【新・日本の絶景】山肌を埋め尽くすくしだれ桜「花見山」、海外からも注目の「大塚国際美術館」(1)から続く

自然美を堪能したあとは、芸術美にも浸りたい。海外からも注目される異色の美術館が、鳴門公園内にある。世界26か国の美術館に所蔵されている原画を、陶板で原寸大に再現展示している大塚国際美術館だ。

大塚グループが1998年、創業地の鳴門市に設立した美術館は国内最大級の常設展示スペースがあり、地下3階、地上2階の鑑賞ルートは総延長約4キロに及ぶ。陶板に忠実に再現された古代から現代までの名画が、1000点余り展示されている。

「エル・グレコの祭壇衝立復元」は19世紀初頭に戦禍で破壊された幻の祭壇画

「原画は時がたつと退色劣化していきますが、特殊技術で再現された陶板名画は2000年たっても色褪(あ)せないと言われています」と学芸部の吉本早希さん。

レオナルド・ダ・ヴィンチの 「最後の晩餐(ばんさん)」、ピカソの 「ゲルニカ」など、次々と現れる名画の迫力に息をのむ。至近距離で細部まで鑑賞できるのも、ここならでは。記念撮影も可能なので、「モナ・リザ」とツーショットもぜひ撮りたい(ストロボ、フラッシュ、三脚不可などの規制あり)。

レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」は修復前と修復後を展示 ※写真は大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです
館内のあち こちに休憩用のイスがあるのもうれしい
レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」も間近で鑑賞できる ※写真は大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです

さらに感動したのが、礼拝堂や古代遺跡の壁画を環境空間ごとに再現した立体展示の数々だ。バチカン宮殿内にある、システィーナ礼拝堂天井画および壁画を再現したホールも荘厳で臨場感たっぷり。レプリカだと忘れるほど、胸に込み上げてくるものがある。

見どころが多く無料ガイドもあるので、館内のカフェやレストランで休みながら時間をかけて巡るのがおすすめだ。当日なら再入館も可能とのこと。近くの乗船場から乗れるうずしお観潮船の時間と合わせ、柔軟な行程を組めそうだ。

最後に堀越橋を渡って島田島までドライブを楽しんだ。鳴門スカイライン沿いの四方見(よもみ)展望台からウチノ海を一望すると、釣り客を乗せる筏(いかだ)「釣り屋形」がたくさん浮かんでいた。内海のおだやかな海景も格別だ。

静かなウチノ海を四方見展望台から眺める。釣り屋形が浮かぶ印象的な風景だ

展望台の隣には絶景カフェ「フレンチモンスター瀬戸内フードアート」があり、鳴門金時を使った焼き菓子「月へ鳴門へ」が新たな徳島銘菓として人気を呼んでいる。コーヒーとともに味わい、瀬戸内の夕景を愛(め)でながら帰路についた。

文/北浦雅子 写真/清水いつ子ほか

 

四方見展望台に隣接する絶景カフェ

鳴⾨⾦時のクリームサンド「月へ鳴門へ」
明るい店内
笑顔のカウンタースタッフ

フレンチモンスター瀬戸内フードアート

鳴門スカイラインの絶景ポイントに、2020年にオープンしたカフェ。鳴門金時のクリームをサブレでサンドした「月へ鳴門へ」は、「2018瀬戸内おみやげコンクール」の最優秀賞を受賞。店内では1本230円。桜エビのトマトソースパスタなどランチもおすすめ。
■11時〜17時/火曜休/鳴門線鳴門駅からタクシー20分/TEL088-661-5566


花見山【ベストシーズン】3月下旬〜4月10日頃(花期)

営業:桜開花期間中は9時〜17時、入山料300円(春季以外の開放は未定)
交通:鳴門線鳴門駅からバス10分、八木の鼻下車徒歩5分/神戸淡路鳴門道鳴門北ICからすぐ
住所:鳴門市鳴門町土佐泊浦大毛234-35
問い合わせ:TEL088-683-5622(メモリアルパーク板東・花の霊苑)

 

大塚国際美術館のエントランス。建物の大部分は地下にあり、地上に見えるのは一部だ

大塚国際美術館【ベストシーズン】通年

営業:9時30分〜17時(入館券の販売は〜16時)/月曜休(祝日の場合は翌日)/3300円
交通:鳴門線鳴門駅からバス15分、大塚国際美術館前下車すぐ/神戸淡路鳴門道鳴門北ICから3キロ
住所:鳴門市鳴門町鳴門公園内
問い合わせ:TEL088-687-3737

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2025年2月号)
(Web掲載:2025年3月20日)

 


Writer

北浦雅子 さん

和歌山の海辺生まれで、漁師の孫。海人族の血を引くためか旅好き。広告コピーやインタビューなど何でもやってきた野良ライターだが、「旅しか書かない」と開き直って旅行ライターを名乗る。紀伊半島の端っこ、業界の隅っこにひっそり生息しつつ、デザイナーと2人で出版レーベル「道音舎」を運営している。https://pub.michi-oto.com/

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