【車窓に春風 お花見列車】観光列車で訪ねる🌸桜の名所7選

「春の交響曲」の終点、吉野駅の桜
観光列車の窓から桜並木を眺め、沿線の桜名所を訪ねる。そんな春の景色を満喫できる「お花見列車」を集めてみた。それぞれの列車を利用するのに便利なきっぷもあわせて紹介したい。
(文/谷崎竜)
🌸お座トロ展望列車(会津鉄道)
会津路を走るお座トロ展望列車。トロッコ車両とお座敷&展望車両の2両編成
お座敷・展望・トロッコという三つの座席タイプがある観光列車。沿線を流れる大川(阿賀川)の渓谷美が楽しめる。途中の湯野上(ゆのかみ)温泉駅は全国でも珍しい茅葺(かやぶ)き屋根の駅舎で、ホームの周辺には約30本のソメイヨシノが並ぶ。ねこ駅長のいる芦ノ牧(あしのまき)温泉駅も桜の名所で、シーズン中は桜のライトアップもある。見頃は4月中旬~5月上旬。
【区間】会津若松―会津田島(福島)
【花名所】湯野上温泉駅、芦ノ牧温泉駅
【料金】乗車券+お座トロ座席指定券400円
【運転日】主に4月〜11月の土曜、休日
TEL:0242-28-5886(会津鉄道)
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🌸西武 旅するレストラン「52席の至福」(西武鉄道)
武甲山をバックに走る西武 旅するレストラン「52席の至福」。車体には「芝桜と長瀞(ながとろ)の桜」など秩父の四季が描かれている
都心の池袋駅などと西武秩父駅を結ぶ観光列車で、全座席が食事付きプランで販売される。コースは主にブランチコース(下り)とディナーコース(上り)が設定され、有名レストランのシェフが監修した料理を車内で堪能できる。西武秩父駅から徒歩15分の羊山公園は約40万株の芝桜が植栽され、赤紫やピンクの花畑が見られる。見頃は4月上旬~5月上旬。
【区間】西武新宿・池袋―西武秩父など(東京・埼玉)
【花名所】羊山公園、稲荷山公園
【料金】ブランチコース1万5000円など(予約は2人から)
【運転日】主に土曜、休日
TEL:0570-005-712(西武鉄道お客さまセンター)
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🌸寒天列車(明知鉄道)
1987年に登場した明知鉄道の食事付き列車は全国の「グルメ列車」の先駆け的な存在
急行「大正ロマン号」の下り列車に「食堂車」を連結し、1月~3月は「枡酒列車」、4月~8月は「寒天列車」など、季節ごとに車内で郷土料理を提供している。終点の明智駅や、光秀ゆかりの八王子神社、樹齢400年の遠山桜( 八斗薪<はっとまき>の彼岸桜)など、周辺には桜の名所が点在している。見頃は3月下旬~4月上旬。
【区間】恵那―明智(岐阜)
【花名所】明智駅周辺
【料金】55000円
【運転日】火~日曜
TEL:0573-54-4101(明知<あけち>鉄道)
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🌸嵯峨野観光トロッコ列車(嵯峨野観光鉄道)
桜のトンネルを走る嵯峨野観光トロッコ列車。国鉄時代のディーゼル機関車がけんいんする
JR山陰線の旧線を活用した嵯峨野(さがの)観光鉄道は、全便がトロッコ車両で運転され、ほぼ全線にわたり保津川渓谷をたどる。起点のトロッコ嵯峨駅は、嵐山エリアにあるJR山陰線の嵯峨嵐山駅に隣接。嵐山は渡月橋(とげつきょう)や天龍寺など桜の名所が多い。トロッコ列車からも渓谷沿いの桜並木が見られ、ときに桜のトンネルの中を走る。見頃は3月下旬~4月下旬。
【区間】トロッコ嵯峨―トロッコ亀岡(京都)
【花名所】嵐山、保津川渓谷
【料金】880円
【運転日】不定休
TEL:075-861-7444(嵯峨野観光鉄道)
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🌸青の交響曲(近畿日本鉄道)
クラシカルな外観の「青の交響曲」。終点の吉野駅は日本有数の桜名所といわれる吉野山の玄関駅
近鉄吉野線を走る観光特急で、座席はゆったりとしたデラックスシート。ホテルのバーをイメージしたラウンジ車両もあり、列車のコンセプトである「上質な大人旅」を演出している。終点の吉野駅は、秀吉ゆかりの金峯山寺(きんぶせんじ)など、国宝や世界遺産の社寺が点在する吉野山の玄関口。山麓から山上まで約3万本のヤマザクラが彩る。見頃は3月下旬~4月下旬。
TEL:050-3536-3957(近鉄電車テレフォンセンター)
【区間】大阪阿部野橋―吉野(大阪・奈良)
【花名所】吉野山
【料金】1900円
【運転日】土曜、休日
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🌸ゆうすげ号(南阿蘇鉄道)
桜と菜の花が彩る阿蘇下田城駅に到着したトロッコ列車「ゆうすげ号」。全線で阿蘇外輪山の眺めがいい
南北24キロ、東西18キロという世界最大級の阿蘇カルデラの内部を走るトロッコ列車で、ダイナミックな阿蘇の大自然を満喫できる。沿線にある一心行(いっしんぎょう)の大桜は、樹齢400年の一本桜(ヤマザクラ)で、樹高14メートル、幹周り7メートル。南阿蘇村のシンボル的な存在で、淡い薄紅色の花を付ける(中松駅から徒歩15分)。見頃は3月下旬~4月上旬。
【区間】立野―高森(熊本)
【花名所】一心行の大桜
【料金】1500円
【運転日】土曜、休日および3月20日~4月6日
TEL:0967-62-0058(南阿蘇鉄道)
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🌸しまてつカフェトレイン(島原鉄道)
しまてつカフェトレインは大三東(おおみさき)駅で45分停車。ホームから有明海を一望できる
ランチとスイーツを楽しむ観光列車。諫早(いさはや)―島原駅間を片道2時間かけてのんびり走る列車内で、雲仙岳や有明海を眺めながら、地元グルメを味わえる。終点の島原駅から近い島原城址は、藩政時代から桜馬場と呼ばれた桜の名所。島原城を一周する堀端に約250本の桜が咲き誇る。見頃は3月下旬~4月上旬。
【区間】諫早―島原(長崎)
【花名所】島原城
【料金】6000円
【運転日】主に土曜、休日(不定期運転)
TEL:0957-62-4705(島原鉄道)
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👉おすすめのお得きっぷ
使い方次第でかなり割安となる週末パス。例えば、東京― 会津若松駅間の往復なら1460円のお得
🎫週末パス
主に宮城・山形県以南のJR東日本と、会津鉄道など14の私鉄が連続する土・日曜の2日間乗り放題。別に特急券を買えば特急や新幹線を利用できる。8880円。利用期間は主に土・日曜(5月連休、お盆、年末年始を除く)
🎫ぷらっとこだま
東京・品川・新横浜/静岡・浜松/名古屋/京都・新大阪の相互間で設定される旅行商品。こだま号の指定席が片道利用可能。購入はインターネットか旅行会社で。東京―名古屋駅間8810円/東京―京都駅間1万790円など(通常期)。利用期間は通年(お盆、年末年始を除く)。
🎫近鉄週末フリーパス
近鉄全線が乗り放題。別に特急券を買えば特急を利用可。購入は利用開始日の前日まで。5000円。利用期間は金・土・日曜、または土・日・月曜の連続3日間。
🎫旅名人の九州満喫きっぷ
JR九州と九州内の私鉄全線の、普通列車の普通車自由席が、購入後3か月間の間に3回(日)乗り放題。特急は利用不可。1万1000円(2025年4月1日から値上げ予定)。使用期間は通年。
※記載内容は掲載時のデータです。運転日は未確定なので要確認。
(出典:旅行読売2025年4月号)
(Web掲載:2025年3月29日)