【旅するふるさと納税】107の自治体が導入する新しい旅の形「旅先納税®」とは?
昔ながらの湯治部がある花巻・鉛温泉藤三旅館
スマホ一つで利用できる「旅先納税」
ふるさと納税の制度を利用し、旅行・出張で訪れた自治体に寄付ができ、スムーズな手続きで返礼品が受けられると話題を呼んでいるのが、株式会社ギフティ(東京都品川区)が運営する「旅先納税」だ。現在、107の自治体が導入している。
旅行や出張で訪れた先でスマートフォンの専用サイトから「旅先納税」(寄付)をすると、納税した自治体から寄付額の30%分(一部自治体を除く)の電子商品券「e街(まち)ギフト」がスマホに即時返礼され、加盟している現地の飲食店、宿泊施設、土産物店、観光施設のスマホ決済に利用できる。数千円~数十万円の範囲で寄付額を選ぶことができ(自治体により異なる)、電子商品券は1円単位で利用可能なので便利だ。
返礼品の名称は自治体によって異なる。例えば、北広島市(北海道)の返礼品「きたきた」は、北海道日本ハムファイターズの本拠球場のエスコンフィールドHOKKAIDOで、応援グッズを買って食事をし、野球観戦が楽しめる。多目的施設なので、試合がない時でも丸1日遊べる。同じくレジャーなら、軽井沢町(長野)の「軽井沢さわやかギフト」は、自然のなかでアクティビティーやゴルフで体を動かせる。

エスコンフィールドHOKKAIDOでは温浴施設から球場が眺められる
温泉好きなら、花巻市(岩手)の「はなまき星めぐりコイン」を使って、花巻温泉郷の湯宿で、錦秋を眺めながら温泉でのんびりとするのもいい。
グルメなら、川越市(埼玉)の「小江戸かわごえe旅ギフト」を使った蔵の町散策がおすすめだ。約170の加盟店があり、名産のうなぎ料理のほか、秋は川越特産のサツマイモを使った料理や菓子が楽しみ。また、福岡市の「福岡よかとこコイン」は、もつ鍋や魚介類といった博多グルメが満喫できる。

花巻市の返礼品としてもらえる「はなまき星めぐりコイン」の画面

蔵造りの商家が並び、シンボルの「時の鐘」が立つ川越

福岡の居酒屋「博多かんべえ」のイカの活き造り
ギフティ・広報の中野綾佳さんが、「“さっぽろ圏”内の札幌市と周辺10市町村や、京都府北部地域7市町の“海の京都”、島根県隠岐諸島4町村、鹿児島県奄美群島12市町村では、広域で連携して共通の返礼品を使えるのも特色です」と話すように、複数の自治体をまたいだ周遊型の「旅先納税」もある。
ふるさと納税の仕組みを活用しているため、ワンストップ特例制度も利用でき、翌年の税金控除の対象になる。
「さらに自治体を増やし、寄付される方にもっと全国各地の旅行を楽しんでいただきたいですね」と中野さん。スマホ一つで利用できる利便性から、「旅先納税」の参加自治体は今後も増えることが予想される。
文/荒井浩幸
そのほかの導入自治体例
小樽市、礼文町(北海道)、盛岡市(岩手)、大館市(秋田)、新潟市(新潟)、安曇野市(長野)、加賀市(石川)、伊勢市(三重)、姫路市(兵庫)、白浜町(和歌山)、高松市(香川)、竹富町(沖縄)ほか
【旅先納税ホームページ】は👉こちら
※「旅先納税®」は株式会社ギフティの登録商標。
※返礼品の有効期間は自治体により異なります。
※家族で地域に滞在し、子どもが保育園に通う「留学先納税」の返礼品の自治体も含まれています。
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年10月号)
(Web掲載:2025年11月2日)


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