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鉄道体験や人気のパンケーキも楽しめる現地消費型ふるさと納税「テツふる」の魅力<鳥取:若狭町、八頭町>

場所
> 若狭町、八頭町
鉄道体験や人気のパンケーキも楽しめる現地消費型ふるさと納税「テツふる」の魅力<鳥取:若狭町、八頭町>

昭和初期の木造駅舎が風情たっぷり。レトロモダンに一新された内装も味わい深い。若桜駅は桜の名所でもある

“鉄道があるまち” 応援プロジェクト行って、乗って応援する「テツふる」

ふるさと納税を活かした新たなプロジェクト「テツふる」が始まった。全国各地の〝鉄道のあるまち〟を訪ね、地域デジタル商品券(返礼品)で鉄道体験や飲食、買い物ができる現地消費型のサービスだ。その楽しさを体感すべく、若桜鉄道の拠点、鳥取県若桜町を目指した。早々に「テツふる」を導入した、沿線自治体の一つだ。

起点の郡家(こおげ)駅から若桜鉄道の観光列車「昭和号」で、のんびりと行く。田んぼの稲や清流を眺めていると、肩の力が抜けてゆく。終点の若桜駅まで32分。この時間は若桜鉄道版「テツふる」の大切な序章だ。

「若桜駅の魅力は、昭和初期から変わらない構内のこの風景ですね」と話すのは、若桜鉄道の専務・矢部雅彦さん。駅舎やホーム、転車台など、鉄道遺産の数々が醸し出すノスタルジーが昭和の映画を思わせる。

この駅で人気なのが蒸気機関車やディーゼル機関車の体験運転だ。必要な地域デジタル商品券は1万5000円分(寄付額5万円)。希望者はまず若桜町役場に体験予約をしてから「テツふる」で寄付し、その3割に相当する商品券を入手する。憧れのSLを運転できるとあって、全国からファンがやってくるとか。運転席に座ると、機関士になった気分でテンションが一気に上がった。

若桜鉄道[若狭町]

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JR因美(いんび)線に接続する郡家駅と若桜駅間19.2キロを走るローカル線。全線開通の1930年以来、何度も廃線の危機を迎えるが、87年に第3セクター方式へと転換して運営を継続。沿線の駅舎やプラットホーム、橋梁(きょうりょう)など23の鉄道関連施設が国の登録有形文化財に登録されている。趣向を凝らした観光列車は「昭和号」「八頭号」「若桜号」の3両が走行中だ。

若桜駅での蒸気機関車、ディーゼル機関車の体験運転は事前講習(60分)後に体験運転(10分)が楽しめる。「テツふる」利用での体験予約は希望日の2か月前までに若桜町役場企画政策課(TEL:0858-82-2231)まで。その他の体験メニューも要チェックだ。
問い合わせ/TEL:☎0858-82-0919

わかさカフェ retro[若桜町]

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若桜駅構内の待合室に併設されているレトロ感あふれるカフェ。テーブルやソファもおしゃれで、町の人々も気軽に訪れる。「retro(レトロ)ハンバーガー」600円は、若桜町産の吉川豚を使った逸品でボリュームもある。地元の焙煎(ばいせん)士が手がけた「わかさブレンド」400円もカップにたっぷり。窓の外の車両を見ながら、特別な空間を楽しみたい。鉄道グッズ(写真)の販売もある。
■9時~17時30分/火曜、年末年始休/若桜鉄道若桜駅構内/TEL:070-4740-5608

多彩に使える「地域デジタル商品券」

地域デジタル商品券は駅構内の鉄道グッズ販売やカフェ、町内の加盟店でも使える。対象商品の購入や飲食の際、店頭に置かれた2次元コードをスマートフォンで読み込んで決済する仕組みだ。スマホ片手に町を散策し、特産グルメも味わいたい。「今後さらに加盟店を掘り起こして商品を増やし、広報にも力を入れたい」と若桜町役場の武田佳菜絵さん。

ごはんとおみやげ yamaneya[若桜町]

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若桜駅前のメインストリートにある飲食店で、若桜名物「焼きさば寿ずし」1188円の製造と販売も行っている。ランチタイムに提供される「焼きさば重定食」(小鉢2品とみそ汁付き)1460円は、甘辛いタレが絡んだ焼きサバとサーモンのさっぱりした味わいが絶妙だ。若桜町産の鹿肉を使った「鹿肉ハンバーグ定食」1080円、吉川豚を使った「しょうが焼き定食」1080円など、地元産にこだわったメニューが楽しめる。
■10時~17時(ランチは11時~14時30分)/水曜、年末年始休/若桜鉄道若桜駅から徒歩すぐ/TEL:0858-71-1020

道の駅若桜 桜ん坊[若桜町]

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若桜町内に残る白壁や、カリヤと呼ばれる庇(ひさし)屋根を模した外観が印象的。物販スペースと情報コーナー、食堂がある。旧街道に蔵を構える太田酒造場の日本酒「辨天娘(べんてんむすめ)3種類飲み比べセット」2350円や、若桜町で育てた特別栽培米を使った「米みそ」756円、「玄米みそ」810円など素朴な商品が魅力だ。お土産には、桜の形の「わかさ最中」8個入り1500円もおすすめ。
■物販所9時~18時(冬季は〜17時)、レストラン11時〜14時30分/月曜不定休(祝日の場合は営業)、年末年始休/若桜鉄道若桜駅から徒歩5分/TEL:0858-76-5760

広がる「テツふる」導入エリア

対象エリアも広がっている。若桜町に続き、隣の八頭町も「テツふる」を導入。町内には若桜鉄道全9駅のうち8駅がある。八頭町で利用可能なデジタル商品券も併せてゲットし、若桜鉄道で二つの町を巡りたい。八頭町の「大江ノ郷(さと)自然牧場」は、自然に囲まれた農と食の複合施設。平飼い飼育のブランド卵〝天美卵(てんびらん)〟を使ったスイーツが評判だが、一番人気はパンケーキ。濃厚な卵の風味とふわふわの食感に感激しきり。

大江ノ郷自然牧場[八頭町]

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年間約30万人が訪れるナチュラルリゾート。自然の中でのびのびと育てた鶏の卵“天美卵” を中心に、安心安全で多様な食を展開している。敷地内には評判の「大江ノ郷パンケーキ」968円などが食べられる「ココガーデン」と、コース仕立てのランチや各種スイーツが味わえるレストラン「大江ノ郷テラス」、グルメや買い物が楽しめる「大江ノ郷ヴィレッジ」がある。食の魅力と環境に、わくわくするリゾート空間だ。
■大江ノ郷ヴィレッジは10時~17時30分(閉店時間は店舗により異なる)/年末年始休/若桜鉄道郡家駅からバス13分、大江ノ郷自然牧場下車すぐ/TEL:0570-077-505

八頭町はフルーツの産地としても知られている。最後に道の駅はっとうに行き、地域デジタル商品券でお土産を買って帰りの電車に乗ろう。

文/北浦雅子 写真/宮川 透ほか

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地元産のフルーツや加工品が並ぶ「道の駅はっとう」

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JR郡家駅構内の観光拠点「ぷらっとぴあ・やず」。どちらも八頭町の「テツふる」加盟店

寄付額
若桜町/5000円、1万円、3万円、5万円、10万円、20万円、30万円
八頭町/5000円、1万円、3万円、6万円、10万円、20万円
有効期間:寄付手続きの決済完了から1年間 
発送:スマートフォンで手続きし、その場で取得
問い合わせ: 若桜町役場企画政策課/TEL:0858-82-2231・八頭町役場企画課/TEL:0858-76-0213
※テツふるホームページは👉こちら「若狭町」「八頭町」

テツふる説明.jpg


※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年10月号)
(Web掲載:2025年9月11日)


Writer

北浦雅子 さん

和歌山の海辺生まれで、漁師の孫。海人族の血を引くためか旅好き。広告コピーやインタビューなど何でもやってきた野良ライターだが、「旅しか書かない」と開き直って旅行ライターを名乗る。紀伊半島の端っこ、業界の隅っこにひっそり生息しつつ、デザイナーと2人で出版レーベル「道音舎」を運営している。https://pub.michi-oto.com/

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