【はじめてのひとり旅の宿】BOOK HOTEL 神保町 < 東京・神保町 > まちなかホテルで自由自在
1階フロント周りは「わたしの本を見つける」をテーマに本を並べている(写真/BOOK HOTEL 神保町)
世界一の本の街に誕生したブックホテルで読書三昧
世界一の本の街として知られる東京・神田神保町。約130店の書店が集まり、数百万点の書物やアート作品などを扱っているという。そんな街にお似合いの宿が2022年10月にグランドオープンした。「BOOK HOTEL 神保町」だ。
施設は12階建て。その名の通り、1階フロントから各階の廊下、客室内まで、約1500冊の本がそこかしこに並べてある。「恋に、恋して」「今日は泣きたい気分」「考えて、考えて、考える」「徹夜でミステリー!」「ビジネスどどぉーーん!」など、各階でテーマ分けしているのもおもしろい。
「ホテル内の本は、私たちブックコンシェルジュでもあるスタッフが実際に読み、自信を持っておすすめできるものばかりです」とは広報の石原さん。さらに一歩踏み込んだブックマッチングサービス(500円)もある。宿泊者限定の事前予約制(チェックイン2日前まで)で、好きな本のジャンル、興味があること、解決したい悩みなどのアンケートに回答すると、スタッフが利用者の好きそうな本や新しい出会いのきっかけになりそうな本を厳選して、チェックイン時に渡してくれる。

館内に並ぶ本にはスタッフの感想やメッセージが添えてある。「お客様に喜んでもらえるように毎日の読書は欠かせません」と広報・石原さん
客室は32室あり、4タイプに分かれる。それぞれ寝心地の良いシモンズ社製ベッドが置かれ、ダブルルームにはソファ、スーペリアツインルームにはシックなデスクとチェア、リラックスツインルームにはマッサージチェア、マンガ・アートルームにはプライベートサウナが設けてある。どの部屋もひとり泊が可能だ。
個人的に惹(ひ)かれたのはリラックスツインルーム。ベッドに寝転がって本を読み、同じ姿勢に疲れたらマッサージチェアで体をほぐしてまた本を読む。読書三昧のぜいたくな時間を過ごせそうではないか。

客室にはフロアテーマに関わらず様々な分野の本を用意(写真/BOOK HOTEL 神保町)

読書にも最適なソファが置かれたダブルルーム。広さ23平方メートルでバス・トイレ付き
19時からはフロントでバーがオープンする。〝毎日が読書会〟をコンセプトにしていて、文庫本1冊がお通しとしてプレゼントされる。偶然に居合わせた愛書家たちが本の感想をきっかけに会話を弾ませる。これもまた本の良さだろう。

「BOOK BAR ing」は予約不要。「夜更けの読書セット」1800円は文庫本1冊、酒類1品に駄菓子のつかみ取りが付く(写真/BOOK HOTEL 神保町)
食事の提供はなく、客室への持ち込みが可能だが、せっかくなら本の街らしい食事を楽しみたい。神田神保町は名店がひしめくカレーの街。愛書家が本を片手にスプーン1本で食べられるカレーを好んだため、店舗が増えたとも言われている。欧風、インド風、オリジナルなど、多彩なカレーの食べ比べも一興だ。翌日は書店巡りをして、とことん本の世界に浸ってみよう。

神田神保町の古書店街。日本文学、映画・演劇、浮世絵、古地図など専門分野に特化した古書店が多く、訪れるたびに発見がある
🍛欧風カレー ボンディ神保町本店


(写真/欧風カレー ボンディ 神保町本店)
1973年創業。口に含んだ瞬間は甘く感じるが次第にスパイスの辛さが主張を始める深みのある欧風カレーが味わえる。おいしさの秘密は肉と野菜を煮込んだスープに、生クリームやバター、スパイス、フルーツを加えること。カレーソースの味を堪能できるように茹(ゆ)でたジャガイモを別皿で提供するのもこだわりだ。一番人気はビーフカレー1600円。
■11時~21時(土・日曜、祝日は10時~21時30分)/無休/地下鉄三田線・新宿線・半蔵門線神保町駅A6出口からすぐ/TEL:03-3234-2080
文・写真/内田 晃
BOOK HOTEL 神保町
予約:公式サイトから👉こちら
住所:千代田区神田神保町2-5-13
ひとり泊データ
条件:通年可
客室: トイレ・バス付きツインなど(全32室)
食事:なし
<料金(税込)>
素泊まり 平日1万2000円~/休前日1万2000円~
1泊朝食 なし
1泊2食 なし
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年3月号)
(Web掲載:2025年11月27日)


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