【オールインクルーシブの宿】亀の井ホテル 日光湯西川 オールインクルーシブホテル<湯西川温泉・栃木>~1万円代で泊まる~
緑に囲まれた露天風呂は、10月中旬から紅葉も美しい。平家の家紋のアゲハチョウを模した石のオブジェも配されている
伝統の囲炉裏焼きや地酒をモダンな空間で心ゆくまで
日光市の最北にある湯西川温泉は、平家の落人(おちうど)が隠れ住んだと伝わる秘境だ。浅草から東武特急で2時間30分、さらにバスで25分。山々に囲まれた温泉街は、世間の喧騒(けんそう)から隔絶された静けさが今も残っている。
亀の井ホテル 日光湯西川は、温泉街のやや奥まった所に立つ。2024年12月、全国40か所に展開する亀の井ホテルでは初のオールインクルーシブを導入。「静かな温泉地なので、ホテルでゆっくり滞在を楽しんでいただけるようにと始めました」と支配人の落合増雄さんは話す。
間接照明が映える広々としたロビーの一角に、7時~22 時30分に利用可能なゲストラウンジがある。生ビールやソフトドリンクのほか、かつて有料だったサーバーの地酒やワインも無料で飲み放題。時間帯によって野菜ピクルスなどのおつまみも追加され、カフェとしても、バーのようにも過ごせるのがいい。私も滞在中は、客室よりもここで過ごす時間のほうが長かった。

緑の山々に囲まれた宿。秘境の雰囲気が漂う

正面の窓に広がる緑にも癒やされるモダンなロビー

セラーに入っているワインや日本酒は8種類。少量から試せてうれしい

電動アシスト付き自転車は予約制で、最大3時間利用できる
ダーツや卓球、夏は手持ち花火も無料。電動アシスト付き自転車も無料で6台用意されているので、温泉街の散策に利用できる。宿では自家源泉を所有し、無色透明の単純温泉が露天風呂や寝湯などがそろう大浴場で楽しめる。pH8.4の弱アルカリ性で、肌にやさしいと評判だ。
囲炉裏が切られたテーブルが並ぶレストランでいただく夕食は、ビュッフェ形式。特筆すべきは、栃木県産のブランド鶏や川魚、うるち米をたたいて餅にした郷土食の「ばんだい餅」など種類豊富な囲炉裏焼きの数々。湯西川温泉名物のお狩場(かりば)焼きの雰囲気を継承しながらもオリジナリティーがあって、好きなものをテーブルの囲炉裏に運んで焼きながら食べるのが楽しい。
そのほか、鹿などのジビエ料理や、県産米のごはんをその場でにぎるおにぎりがおいしい。ゲストラウンジとは異なるラインアップの地酒を合わせて味わった。

好きな串を選んでテーブルの囲炉裏であぶる

キノコの陶板焼きは9月からのメニュー。卓上でバター焼きに

玄関向かいの源泉につけて自分で作る温泉卵も無料
夜食には亀の井ホテル共通の夜鳴き担々麺、そして朝食には那須御養卵などのブランド卵の食べ比べもできる里山ビュッフェを味わった。お財布を気にせずに栃木を感じる食と酒を堪能しながら、家族や友人との語らいのひとときを過ごそう。
👟周辺の立ち寄りスポット
平家の里

平家落人の生活様式を後世に残すために造られた施設で、9棟の茅葺(かやぶ)き屋根の民家を集めてかつての集落を再現。建物の中には古くから伝わる生活用具や武具などが展示されている。栃餅やそばがきなどを提供する甘味処もある。宿から徒歩3分。
■8時30分~16時30分 ※季節により変動あり/無休/湯西川温泉駅からバス25分、湯西川温泉下車すぐ/TEL:0288-98-0126
文/野水綾乃
TEL:0288-98-0016
住所:日光市湯西川1033
オールインクルーシブ
◎夕・朝食時飲み放題
◎ゲストラウンジで飲み放題
◎卓球、ダーツ
◎夜食の夜鳴き担々麺
◎レンタサイクルなど
1泊2食料金(税込み)
平 日 1万6750円~
休前日 2万5250円~
※ひとり泊可(繁忙期、休前日を除く、+1万3600円)
客室:54室
交通:野岩鉄道湯西川温泉駅からバス25分、湯西川温泉下車徒歩3分。月~木曜は駅から送迎あり(前日までに要予約・先着順)/日光宇都宮道路今市ICから43キロ
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※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2025年9月号)
(Web掲載:2025年12月10日)


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