【旅と駅弁・駅麺】北陸の冬季限定駅弁を食べ比べ/敦賀▶金沢▶能登中島▶富山(2)
のと鉄道能登中島駅の売店「駅マルシェわんだらぁず」
能登中島駅弁 X ぶりかまめし
【旅と駅弁・駅麺】北陸の冬季限定駅弁を食べ比べ/敦賀▶金沢▶能登中島▶富山(1)から続く
金沢駅からは七尾線を経由して、のと鉄道で能登中島駅へ。構内にある「駅マルシェ わんだらぁず」では、土・日曜、祝日に「能登中島駅弁」を予約販売している。
製造販売する井田さん夫婦は、2019年、能登中島駅の売店をのと鉄道から引き継いだ。コロナ禍を乗り越えて再開したが、24年元日に能登半島地震が発生。夫の幸長さんも、「一時は諦めかけました」と振り返る。それでも、周囲に励まされて2025年1月、七尾湾で養殖された能登かきを使った駅弁の販売を開始。ふっくら甘く炊いたカキと茶飯に、ゴボウがいいアクセントになっている。「駅弁を通じて能登の食材を知ってもらいたくて、新作も開発中なんです」と妻の淳子さん。能登かきの駅弁は11月から5月頃まで販売する予定だ。

能登かきなど能登の味を詰め込んだ「能登中島駅弁」

「駅マルシェわんだらぁず」では駅弁のほか、Tシャツやトートバッグも販売

駅弁を立ち売りする井田幸長さん( 写真は2023年)。のと鉄道の観光列車が震災前のダイヤに戻ったら、また立ち売りスタイルで訪れた人を迎えたいそうだ
能登中島駅弁
ぷりぷりの能登かきが主役の手作り駅弁
1500円【 能登中島駅】 のと鉄道 駅マルシェ わんだらぁず

のと鉄道では、能登の伝統工芸品があしらわれた客車を使い、「震災語り部観光列車」を運行している。能登半島地震を経験した語り部たちが乗車し、当時のリアルな体験や能登の今を伝える。変わらない能登の美しい海景色にも癒やされるので、泊まりがけで訪れる際はぜひ乗ってみたい。
IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道とローカル線を乗り継いで向かった旅の最終目的地は富山駅。「ますのすし」が全国的に有名だが、それに劣らぬ人気を誇る駅弁があるという。11月から3月までの限定販売の「ぶりかまめし」だ。
ブリの釜飯ではなく、ブリカマの飯。ワサビ風味の酢飯の上に、1尾のブリから二つしか取れないカマが丸ごと一つのっている。脂ののったブリカマは時間をかけて甘しょっぱく煮込んであり、さっぱりした酢飯と絶妙なハーモニーを奏でる。別添の山椒(さんしょう)粉の爽やかな香りに、いっそう食欲がそそられる。テレビの情報番組の「駅弁マニアが本気で選んだ全国駅弁ランキング」で第1位になったというのも、うなずける。

「ぶりかまめし」などを販売する「源」の売店は、富山駅の新幹線中央改札口すぐ横
ぶりかまめし
どーんとのったブリカマが豪快
1350円【 富山駅ほか】 北陸新幹線 TEL:076-429-3100(源)


ガラスの街・富山市の富山駅南北通路には、工芸ガラスブロックを埋め込んだフロアシャンデリアがある

富山駅では路面電車が新幹線の高架下を通っている。ユニークな景色目当てに訪れる鉄道ファンも
富山まで来たら、名物のシロエビは外せない。というわけで、立山そばの「白えび天ぷらそば」で旅を締めくくった。満腹旅の最後に散策するなら、富山駅から徒歩9分の富岩(ふがん)運河環水公園がいい。冬の夜を光で彩る人気イベント「環水公園スイートイルミネーション2025」が26年3月1日まで開催中だ。

《富山》白えび天ぷらそば ◉立山そば 富山駅南口構内にある。カツオ節やサバ節でだしを引いたつゆは、昆布のまろやかさも感じられるやさしい味。シロエビの天ぷらが8尾のっており、富山名物が手軽に味わえる。620円
震災語り部観光列車

雪の立山連峰をバックに走行するのと鉄道。車窓からは、七尾湾の養殖カキ棚も見える
2025年11月30日までは土・日曜、祝日に運行、1日4便。七尾駅、和倉温泉駅、穴水駅に停車する。利用代金900円のほか、乗車券代が必要。前日12時までの予約制(WEB予約は前々日まで)だが、空席があれば当日も受け付ける。2026年の運行など問い合わせは、のと鉄道観光列車予約センターへ。TEL:0768-52-2300(10時~17時、月・火曜休)

「震災語り部観光列車」に使用している車両。組子細工や輪島塗など、地元の伝統工芸を生かした意匠も見どころ
日帰りモデルコース(土曜、休日用ダイヤ)
敦賀 08:31発
↓ (北陸新幹線つるぎ4号)
金沢 09:28着
10:00発
↓ (特急能登かがり火3号)
七尾 10:52着
11:54発
↓ (のと鉄道)
能登中島 12:13着
13:17発
↓ (のと鉄道)
七尾 13:37着
14:02発
↓ (七尾線)
津幡 15:17着
15:21発
↓ (IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道)
富山 16:09着
文/出口由紀 写真/宮川 透ほか
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年12月号)
(Web掲載:2026年1月11日)


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