【天下取りの城へ】大和大納言と仰がれた秀長の知略に満ちた100万石の城 郡山城(2)
郡山城は桜の名所としても有名。春は城の至る所で美しい花景色が見られる(写真/ピクスタ)
歴史をたどり城跡から城下町へ
【天下取りの城へ】大和大納言と仰がれた秀長の知略に満ちた100万石の城 郡山城(1)から続く
城跡公園内の柳沢文庫にも、ぜひ立ち寄りたい。江戸時代に郡山藩主を代々務めた柳澤家の資料を中心に所蔵する地方史誌専門図書館だ。まずは入り口の受付で、金色の御城印(800円)を購入。秀長の築城当時をイメージして再建された追手門が、切り絵で表現されていて美しい。館内では天守台整備事業を記録した映像も視聴でき、石垣解体の様子に思わず引き込まれた。

柳沢文庫は入館料300円(閲覧室のみ利用の場合は無料)

柳澤家歴代の書画や和歌などの作品、郡山藩の公用記録などを展示

旧奈良県立図書館を城跡内に移築した「城址(じょうし)会館」は県指定文化財
城跡を見て回った後は、豆腐町、茶町、材木町などレトロな地名が残る城下町を巡る。秀長は奈良や堺などから商人を呼び集め、町を発展させた。〝箱本(はこもと)制度〟と呼ばれる自治組織も整備されたという。紺屋(こんや)町にある箱本館「紺屋」は、藍染め商を営んでいた町家をリノベーションした観光施設。館内には江戸時代の町割り図や、秀長の特許状(複製)などが展示されている。金魚をあしらった美術品も見どころだ。

箱本館「紺屋」館内

箱本館「紺屋」の前には藍染めを晒(さら)していた紺屋川が流れる。館内には藍染めの道具や町の歴史についての展示が並ぶ。レンタサイクルの貸し出しも(TEL:0743-58-5531)
休憩がてら立ち寄った「本家菊屋本店」で、秀長ゆかりの銘菓・御城之口餅(おしろのくちもち) ちをいただく。店の天井には、歴代の職人たちが使ってきた菓子の木型がずらり。「多くの商人を集めて町をつくった秀長さんは、えらい人やったんでしょうね」と、店員さんがしみじみと言った。入城から1591(天正19)年に病で亡くなるまで6年足らず。短期間に成し遂げられた偉業は、今も地元の人々に語り継がれている。
ここにも立ち寄りたい
本家菊屋 本店
郡山城のお膝元で、約400年にわたってのれんを守る老舗和菓子店。秀長が兄・秀吉をもてなす茶会に献上したとされる「御城之口餅」が古くからの名物だ。粒あんを餅で包み、きな粉をまぶした逸品。店内ではお茶付き500円(売り切れ次第終了)で味わえる。
■9時〜18時30分(1月2・3日は〜17時)/元日休/近鉄橿原線近鉄郡山駅から徒歩5分/大和郡山市柳1-11/TEL:0743-52-0035

昔ながらの商家の風情を色濃く残す店構えも魅力

秀吉も大いに気に入ったという「御城之口餅」
郡山金魚資料館
昭和元年創業のやまと錦魚(きんぎょ)園が、100坪の養殖池を埋め立て自費で設立した資料館。約40種の金魚や養殖道具、金魚関連の資料などを展示している。周辺には養殖池もあり、“金魚のふるさと”と言われる大和郡山ならではの風景も味わい深い。
■9時〜16時30分/月曜、年末年始休/無料/近鉄橿原線近鉄郡山駅から徒歩11分/大和郡山市新木町107/TEL:0743-52-3418

約30個の水槽が並ぶ展示室。かつて使われていた道具も貴重な資料だ

多種多様な金魚をめでられる
🏯お城豆知識
郡山城は1580(天正8)年に戦国武将・筒井順慶(じゅんけい)が築城。5年後、豊臣秀長が入城し大改修を果たした。江戸時代は徳川譜代大名の水野氏、松平氏、本多氏が城主を歴任し、1724(享保9)年に甲府藩の藩主・柳澤吉里(よしさと)が転封。柳澤氏は明治維新まで6代にわたり郡山藩を治めた。現在は桜の名所として知られ、「日本さくら名所100選」の一つ。
文/北浦雅子 写真/宮川 透
【モデルコース】
近鉄郡山駅
↓ 徒歩7分
郡山城跡
↓ 徒歩10分
箱本館「紺屋」
↓ 徒歩4分
本家菊屋 本店
↓ 徒歩17分
郡山金魚史料館
↓ 徒歩11分
近鉄郡山駅
<郡山城> 続100名城
■御城印:あり(800円〈写真〉と300円の2種。柳沢文庫ほかで販売)
■入城:自由 ※柳沢文庫は9時〜16時30分、月・第4火曜(祝日を除く)と年末年始、夏期休、その他臨時休あり
■交通:近鉄橿原線近鉄郡山駅から徒歩7分
■住所:大和郡山市城内町2-255
■問い合わせ:TEL0743-52-2010(大和郡山市観光協会)

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※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年2月号)
(Web掲載:2026年2月14日)


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