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【お得きっぷで鉄道旅】哀愁漂う秘境駅から身延、太平洋へ~名古屋発◎2泊3日~

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【お得きっぷで鉄道旅】哀愁漂う秘境駅から身延、太平洋へ~名古屋発◎2泊3日~

飯田線の小和田駅。駅舎は1936年開業当時からのもの(写真/伊藤岳志)

飯田線・中央線・身延線・東海道線

[名古屋]=[小和田]=[天竜峡]=[下部温泉]=[用宗]

青春18きっぷ《3日間》利用で1990円お得!

インターネットもスマートフォンもなかった青春時代、時間と好奇心だけは有り余っていた。それでよかった。時間と情報に追われ、時にうんざりする今、「青春」と名の付いたきっぷがあの頃に連れ戻してくれる。好奇心を刺激するのは哀愁を帯びた響きの「秘境駅」。〝コスパ〟なんて言葉は放っておいて、各駅停車の列車で旅に出よう。

というわけで、目指すは飯田線。愛知県の豊橋駅から静岡県北西部をかすめて長野県の辰野駅まで、天竜川が造る峡谷美や南アルプスの山々などを見ながら北上し、全長195.7キロ。真骨頂は、豊橋駅から1時間20分ほどの本長篠駅から天竜峡駅までの約80キロ㌔の区間だ。急勾配と急カーブが連続し、山中に分け入る。眼下にはエメラルドグリーン色の天竜川。そして、この区間に小和田、中井侍(なかいさむらい)、為栗(してぐり)、田本(たもと)、金野(きんの)といった秘境駅が集中している。

秘境駅とは、人里離れた秘境にあり徒歩や自転車などでのアクセスも困難な駅のこと。駅前に民家などは一切なく道路も通じていない小和田駅、切り立った斜面に立つ中井侍駅、急峻(きゅうしゅん)な川岸にある為栗駅や田本駅、1日の平均乗降客が1人未満という金野駅。なぜここに駅がある?と思ってしまうが、開業時から秘境駅だったわけではない。

4.為栗駅.jpg
天竜川沿いに立つ為栗駅(写真/谷崎 竜)

3. 田本駅.jpg
断崖絶壁にへばりつくような田本駅には駅舎もない(写真/谷崎 竜)

小和田駅や為栗駅は、かつては近くに集落があったがダムの建設により水没し、人家が消滅してしまった。小和田集落は水運の要所でもあった。非日常的空間に浸るだけでなくそうした歴史も知ることで、秘境駅探訪はより深みを帯びた旅になる。

注意すべきは列車の本数が極端に少ないこと。青春18きっぷのメリットを活用し、行きつ戻りつして、多くの駅に降り立ちたい。モデルコースでは為栗駅、天竜峡駅でいったん折り返す。青春18きっぷは使えないが、6月6・13日に運転される飯田線秘境駅号に乗るのもよいだろう。

2日目まで飯田線沿線を巡り、その後は中央線で甲府駅へ。身延線経由で下部温泉駅で途中下車し、太平洋岸に沿って東海道線で名古屋へ戻る。飯田線沿線の山深い景色と雄大な太平洋の夕景。あまりにも対照的な景色を楽しむ3日間だ。普通列車での長旅はちょっときついが、青春18きっぷがなければこんな旅をすることもあるまい。時間はたっぷりある。青春時代を、人生を振り返る贅沢(ぜいたく)な時間だ。

6.黄金村.jpg
甲斐黄金村・湯之奥金山博物館は下部川の源流部にあった湯之奥金山の歴史を伝える
■身延線下部温泉駅から徒歩3分/TEL:0556-36-0015

7.海賊船_M.jpg
静岡市の広野海岸公園の海賊船のようなアスレチック遊具(写真/ピクスタ)
■東海道線用宗駅から徒歩25分/TEL:054-251-5880(静岡市観光ナビ)

5.満津田食堂.jpg
満津田(まつだ)食堂<飯田> 1887年創業。温かいもてなしとサービスがモットーの地域に根差した食堂。かつ丼などの定番メニューから、馬刺定食1700円、鯉めし1350円(写真)など郷土色豊かなメニューがそろう。
■11時30分~13時30分、17時~20時/月曜休、木曜の昼休/飯田線飯田駅から徒歩11分/TEL:0265-22-0437

文/渡辺貴由

モデルコース_border (4).jpg


※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年7月号)
(Web掲載:2026年7月7日)


Writer

渡辺貴由 さん

栃木県栃木市生まれ。旅行情報誌制作に30年近く携わり、全国各地を取材。プライベートではスケジュールに従った「旅行」より、行き当たりばったりの「旅」が好き。温泉が好きだが、硫黄泉が苦手なのが玉に瑕(きず)。自宅では愛犬チワワに癒やされる日々。

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