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【絶景&グルメ 観光列車の旅】コラム さよならノロッコ号~私を原点へと連れ戻す列車~(鉄道カメラマン・丸山裕司)

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【絶景&グルメ 観光列車の旅】コラム さよならノロッコ号~私を原点へと連れ戻す列車~(鉄道カメラマン・丸山裕司)

噴煙を上げる十勝岳を横手に、富良野盆地を行く列車を、ファーム富田から望む

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まるやま・ゆうじ
1971年生まれ。北海道江別市在住。鉄道カメラマン。道内各地で四季の移ろいを鉄道とともにとらえた写真を撮影。写真集『絶景北海道の鉄道』(北海道新聞社)に作品を提供。

原点の旅を今に伝えるJR北海道の「ノロッコ号」

汽車旅が、私の鉄道趣味の原点だ。かつては青春18きっぷや周遊券を手に、あちこちへ列車で旅することが楽しみだった。当時は夜行列車をはじめ、客車列車がまだ数多く走っていた時代。そんな原点の旅を今に伝えるJR北海道の「ノロッコ号」が、今年度(※2026年度)で運行を終える。

このノロッコ号は、一般的な客車を開放感あふれる姿に改造し、機関車が牽引(けんいん)する客車列車だ。特急列車や都会の電車のようにスムーズかつ高速で走るわけではない。昔ながらにゴトゴトと動き出し、ガタンガタンと揺れながら進む。富良野や釧路といった観光地を巡るだけでなく、どこか郷愁を誘う走りっぷりや乗り心地そのものが、人気を集める理由なのだろう。

大きく開け放たれた窓からは、沿線の雄大な景色を眺められる。ゆっくりと流れていく美しい森の緑は、私のお気に入りの景色だ。そこから吹き込む風を全身で浴びる心地良さは、何物にも代えがたい。

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富良野・美瑛ノロッコ号を牽く機関車は、美瑛の丘をイメージした塗装となっている

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車内から、富良野線沿線に広がる麦秋の畑や山並みを眺める

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沿線の眺望スポットの一つ・赤い屋根の家。この時はちょうど麦の実りの頃。美瑛-美馬牛駅間となるこの付近で、富良野・美瑛ノロッコ号は徐行運転される

風とともに走行音が盛大に響き渡る一方で、この列車にはエンジンもモーターも、クーラーさえもない。だからこそ、駅に止まるとあれほどにぎやかだった走行音はなくなり、乗客の話し声や車内アナウンスだけの静寂が訪れる。そして遠くでピーと汽笛が鳴ると、ガタンという衝撃とともに、そろそろと動き出す。

この明確な「静と動」を感じたくて、私はノロッコ号にしばしば乗り込んだ。風を浴び、揺れに身を任せながら、あの静寂に浸る。そして撮影者の性(さが)として、つい沿線のロケハンもしながら……。

ノロッコ号の「次」(※)はエンジン付きの気動車だ。これからも旅は楽しめるようだが、あの独特な静寂を味わえないとなると、一抹の寂しさを感じる。さよなら、ノロッコ号。

文・写真/ 丸山裕司

※JR北海道の新しい観光列車「赤い星」「青い星」。2027年にデビュー予定

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釧網線細岡駅を出発するくしろ湿原ノロッコ号

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釧路駅を出て最初の見せ場、釧路川を渡るくしろ湿原ノロッコ号

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釧網線川湯温泉駅で出発を待つくしろ湿原ノロッコ号


くしろ湿原ノロッコ号

青春18きっぷで乗れる!

◉運行区間:釧路―塘路(約45分)
◉運行日:2026年10月4日までの毎日、1日1・2往復(9月7~9日は運休。ノロッコ川湯温泉号、夕陽ノロッコ号などを含む)
◉料金:乗車券680円(釧路―塘路)+指定席券1000円

富良野・美瑛ノロッコ号

青春18きっぷで乗れる!

◉運行区間:旭川―富良野(1時間40分)、美瑛―富良野(約1時間)
◉運行日:2026年8月11日までの毎日と、それ以降は9月23日まで土・日曜、祝日を中心に1日3往復
◉料金:乗車券1380円(旭川―富良野)+指定席券1000円

※予約方法:乗車日の1か月前から全国のみどりの窓口、えきねっとで
※問い合わせ:JR北海道電話案内センター/TEL:011-222-7111

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年8月号)
(Web掲載:2026年8月9日)


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