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2027年 発見500年・世界遺産登録20周年 石見銀山を知る、歩く(1)

場所
> 大田市
2027年 発見500年・世界遺産登録20周年 石見銀山を知る、歩く(1)

大久保間歩。坑内に滞在できるのは30分ほどだが、手掘りの跡や銀鉱脈らしき地層など見るべきものは多い

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島根県の中央部に位置する石見銀山は2027年、発見から500年、世界遺産登録20周年を迎える。16世紀後半にヨーロッパで作成された地図にもその存在が記された銀山の価値と魅力を探る旅へ。

石見銀山は1527年に発見され、大正末期の1923年に休山するまでの約400年にわたり、大量の銀を産出してきた。2007年には世界遺産に登録されたがその価値は?それを知るにはまず、石見銀山世界遺産センターを訪ねるといい。ここは大久保間歩(まぶ<「間歩」とは坑道のこと>)の一般公開限定ツアーの受付・集合場所でもあるので好都合だ(有料展示室はリニューアルのため来年3月まで観覧休止中)。

同センターに掲げてある「銀が地球を丸くした」。この言葉の意味を知るだけでも、石見銀山の理解はぐっと深まる。16世紀、おもに南米と石見銀山で産出された銀は地球規模で循環し、世界経済が初めて一つに結び付いた。大航海時代を背景に、欧米、アジアが銀という共通の価値基準で結ばれ“地球が丸くなった”。銀が世界を動かし、その総量のうち少なくとも10%は石見銀山で採掘されたものであったといわれ、世界史的にも大きな意義がある。

そうした銀を掘り出した間歩は約1000か所も確認されている。大久保間歩はその中でも全長約900メートルと最大級。限定ツアーに参加することで坑内に入れる。ツアーではガイドの解説を聞きながら山道を600メートルほど登り、長靴に履き替えヘルメットをかぶり入坑。明かりはヘッドライトのみ。400年前と同じ環境に立ち、ここで掘られた銀が世界を動かしたかと思うと感慨深い。

立ち入れるのは80メートルほどだが、その先には高さ20メートル、横幅15メートル、奥行き30メートルもある「福石場」が、地下神殿のように開けている。

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この先に広がる「福石場」の景観は幻想的

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大久保間歩ガイド風景

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大久保間歩入り口。ここからどれだけたくさんの鉱石が運び出されたことだろう

大久保間歩

江戸時代から明治期にかけて開発され、石見銀山でも随一の規模。江戸時代の手掘りの跡や、明治期に火薬を用いて掘り広げられた跡などがよく分かる。明治期に使われていたトロッコの枕木も残る。
■一般公開限定ツアーのみ。3月~11月の金・土・日曜、祝日、お盆実施/4500円/5日前までに要予約(当日空きがあれば参加可)/発着地の石見銀山世界遺産センターへは山陰線大田市駅からバス23分、同センター下車すぐ。山陰道仁摩・石見銀山ICから8キロ/TEL:0854-89-9091(大久保間歩予約センター)

人と町を潤す、銀はロマン

坑道内を見学できるもう一つの間歩が龍源寺(りゅうげんじ)間歩だ。ここを訪ねると、当時の苦労がよりしのばれる。4、5人がかりでも1日に掘り進めるのはわずか30センチほど。その先に鉱脈があることを信じて掘り、鉱脈に当たったら今度は鉱脈に沿って左右、上下に掘り進む。人ひとりが寝そべりやっと入れるような横穴がいくつもある。地下500メートルまで掘り進めた跡もあり、銀が豊富に産出された証だ。

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岩肌に残る掘削の跡。佐渡島の金山などと比べて、岩盤は比較的軟らかいという

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龍源寺間歩の坑内。暗さに目が慣れてくるとノミで削った跡などが見えてくる

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龍源寺間歩へ向かう途中にある清水谷精錬所跡。明治期、銀山の再開発のために建造

龍源寺間歩

江戸時代前期に掘られた全長600メートルの坑道跡。そのうちの壁面に当時のノミの跡などが残る157メートルと、観光用の新坑道116メートルを見学できる。500円のワンコインガイドを依頼するのがおすすめ(石見銀山ガイドの会 /TEL:0854-89-0120)。
■9時~16時50分(12月~2月は~15時50分)/1月1日休/500円/大田市駅からバス28分、大森下車徒歩40分。仁摩・石見銀山ICから石見銀山公園駐車場まで6キロ、駐車場から徒歩40分 ※龍源寺間歩までは、レンタサイクルや「ぎんざんカート」が便利。「こちら」の記事参照/TEL:0854-89-0347

石見銀山を理解するには、重労働で過酷というイメージだけでは不十分だ。石見銀山世界遺産センターの統括責任者・武部 豪(つよし)さんは言う。「最盛期、労働者の日当は現在の価値で1日5万円だったという説もあります。間歩周辺の住居跡の発掘調査ではガラス製の簪(かんざし)や陶器製の玩具も見つかっています。労働者は家族と共にそこで暮らして、物質的にも精神的にも豊かな暮らしが成り立っていたことは確かでしょう」。

間歩の周囲には集落があり、その場で鉱石を選別し精錬まで行っていた。職住が一体となった鉱山都市が存在していた。「ここには夢があり、ロマンがあったのです」(武部さん)。また、江戸期の町並みが残る大森地区や、銀の積出港だった温泉津(ゆのつ)や鞆ケ浦なども世界遺産の構成資産。銀山だけでは語りきれない価値。それが石見銀山の魅力でもある。

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石見銀山世界遺産センター 統括責任者 武部 豪さん
坑道跡を見るだけではなく鉱山で生活していた人々の暮らしに思いをはせ、今も残る古い町並みを歩き、総合的に楽しんでください。

石見銀山を巡る前にここで学ぼう!

石見銀山世界遺産センター

石見銀山の概要、世界遺産としての価値などを、映像や模型や出土品なども用いて解説する施設。有料展示室(情報コーナー、ガイダンスコーナーは除く)はリニューアルのため、27年3月まで休止。
■8時30分~18時(12月~2月は~17時30分)/毎月最終火曜、年末年始休/無料(有料展示室400円)/大田市大森町イ1597-3/TEL:0854-89-0183

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情報提供に加えて、土産コーナーなどもある

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石見銀山世界遺産センター外観

石見銀山資料館(いも代官ミュージアム)

江戸幕府が石見銀山を支配するために置いた大森代官所跡に立ち、直轄地として治めるための諸政策を解説。採掘から精錬に至る過程、鉱山の経営や技術についても紹介。
■9時30分~17時/火曜(祝日の場合は翌日)休、年末年始休/600円/大田市駅からバス26分、大森代官所跡下車すぐ。仁摩・石見銀山ICから5キロ/大田市大森町ハ51-1/TEL:0854-89-0846

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飢饉から救った名代官・井戸平左衛門正明の功績も紹介

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石見銀山資料館外観

東京からもラクラク! 島根 石見銀山・温泉津へ

【飛行機・電車・バス】
出雲縁結び空港✈羽田空港から1時間20分
萩・石見空港✈羽田空港から1時間30分
【出雲縁結び空港から】 連絡バス25分の出雲市駅から山陰線40分の大田市駅下車。石見銀山資料館(大森代官所跡バス停)へはバス26分。温泉津(ゆのつ)温泉へは山陰線温泉津駅下車
【萩・石見空港から】 連絡バス12分の益田駅から山陰線1時間20分で大田市駅、1時間5分で温泉津駅

【車】
石見銀山資料館へは山陰道仁摩・石見銀山ICから5キロ。温泉津へは山陰道温泉津ICから2キロ

レンタカーでお得に! 11月30日まで

山陰道でつながる「しまね石見旅キャンペーン」

出雲縁結び空港を利用し、指定のレンタカー会社の出雲空港店でレンタカーを借りると、クーポンブックがもらえる。石見地域の対象店舗でクーポンブックを提示し1000円以上(一部施設で金額要件が異なる)利用し、2か所以上でスタンプを集めると、道の駅などでの買い物が2000円割引に。

島根県の旬の旅情報は、県観光連盟webサイト「しまね観光ナビ」で。詳しくは▶▶▶こちら

 

2027年 発見500年・世界遺産登録20周年 石見銀山を知る、歩く(2)世界遺産・大森を歩くへ続く


協力/島根県観光振興課

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年12月号)
(Web掲載:2026年10月28日)


Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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