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トキワ荘通りから雑司が谷へ。マンガ家たちの青春の地を歩く(4)

場所
> 豊島区
トキワ荘通りから雑司が谷へ。マンガ家たちの青春の地を歩く(4)

「トキワ荘」周辺商店街で、三輪車の横に立つ男の子。手前にいるのはお母さんのようだ(写真提供:としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会)


東京都豊島区南長崎にまだ「トキワ荘」があった昭和30年代の商店街へ、「としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会」からお借りした写真を見ながらタイムトラベルをしてみたい。


「トキワ荘」があった昭和30年代の商店街へタイムトラベル

昔の写真で気づくのは通りに子どもたちの姿が多いことだ。三輪車の横で立っている男の子はお母さんと何か話しているように見える。

お母さんに抱きかかえられた男の子が写っている写真もある。自転車に乗った人が走っており、道路脇には自転車が置かれているのも見える。

商店街で、お母さんに抱きかかえられた男の子(写真提供:としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会)
商店街で、お母さんに抱きかかえられた男の子(写真提供:としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会)

ある商店の2階から撮影された写真からは、商店街では、木造の建物が圧倒的に多いことがわかる。自転車に乗って走っている人のほか、オートバイや小型の3輪トラックも写っている。


「トキワ荘」周辺商店街のある店舗の2階から撮影された写真(写真提供:としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会)
「トキワ荘」周辺商店街のある店舗の2階から撮影された写真(写真提供:としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会)

お祭りのみこしや浴衣姿の男女が写っている写真からは、賑わう商店街の様子が伝わってくる。これと同様の賑わいは、今も見ることができる。


「トキワ荘」周辺の商店街に繰り出したお祭りのみこしと見物客たち(写真提供:としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会)
「トキワ荘」周辺の商店街に繰り出したお祭りのみこしと見物客たち(写真提供:としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会)

「トキワ荘」の地元に子どもたちの「夢の虹」が架かる

201983日、「トキワ荘」周辺商店街の約300メートルの道に、地域の子どもたちなど3000人が「夢」を書き込んだ七色の紙が並べられ、モザイクアートの「虹」が出現した。この「夢の虹」は、毎年8月の第1土曜日に開催される地域のお祭りに合わせて作られている。

203月には、このエリアに「トキワ荘」再現施設「トキワ荘マンガミュージアム」がオープンする。地域で待望されてきた「トキワ荘」再現が近づいたタイミングとあって、地域の子どもたちが書いた「夢」には、マンガやアニメーションに関係するものが多かった。


「トキワ荘通り」に出現した夢の虹
「トキワ荘通り」に出現した夢の虹

かつて「トキワ荘」に住んだマンガ家たちの作品には、冒険、科学技術、宇宙、魔法などを題材にしたものが多数含まれている。それらの作品の中には、テレビシリーズや劇場用などでアニメーション化されたものも多い。

「夢の虹」のチラシには「マンガは夢を与えてくれる」とあった。子どもたちが書いた「夢」の中には、マンガやアニメーション関係の仕事につきたい、声優になりたいなどのほか、「宇宙へ行きたい」「1日を27時間にしたい」「クジラと泳ぎたい」など、マンガ作品の影響を感じさせる「夢」も多かった。

「トキワ荘」が「再現」されれば、「マンガの聖地」南長崎は、いま以上に子どもたちの夢にあふれた地域になっていくにちがいない。

「トキワ荘通り」のあちこちに「マンガの聖地巡礼スタンプラリー」のスタンプを押す台がある。スタンプを押して回りながら、「トキワ荘」が存在した往時の様子を想像してみるのも楽しい。


「トキワ荘通り」のあちこちに「マンガの聖地巡礼スタンプラリー」のスタンプを押す台が設置されている
「トキワ荘通り」のあちこちに「マンガの聖地巡礼スタンプラリー」のスタンプを押す台が設置されている

「トキワ荘」が「再現」される南長崎花咲公園。その前にある「南長崎三丁目」バス停がかつて「椎名町五丁目」だった頃の写真もある。そこから目白方面に進むと、トキワ荘ゆかりの地である「菊香堂と鈴木園」跡地の看板の近くに南長崎二丁目(旧・椎名町四丁目)バス停があり、トキワ荘のマンガ家たちがよく利用していたという。


(エトキ)南長崎花咲公園前にある「南長崎三丁目」バス停がかつて「椎名町五丁目」だった頃の写真(提供:としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会)
(エトキ)南長崎花咲公園前にある「南長崎三丁目」バス停がかつて「椎名町五丁目」だった頃の写真(提供:としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会)

Writer

藤原善晴 さん

月刊「旅行読売」編集部に2019年12月まで勤務。現在読売新聞東京本社文化部。瀬戸内海が見晴らせる広島県安芸津町風早(現・東広島市)生まれ。レトロブームということもあり、最近は「昭和」という言葉に敏感に反応。また、故郷が「令和」の典拠となった万葉集ゆかりの地であるため、福岡県太宰府市、奈良県、富山県高岡市、鳥取県など各地の「万葉集」ゆかりのニュースにも目を光らせている。