「すずさん」に会いに行く「聖地巡礼」で、広島県呉市「二河公園の桜」への注目度高まる(1)
桜の木にのぼったすずを見上げる周作 ©2019こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
アニメーション映画「この世界の片隅に」(原作:こうの史代、監督・脚本:片渕須直)に原作の魅力的なエピソードの数々を散りばめた新作「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」。2019年12月20日に公開され、前作と同様、全国各地の映画館に大勢の観客がつめかけている。
「舞台」の地である広島県呉市では、漫画原作の設定をもとにした「聖地」を巡るスタンプラリー「待っとるよ 呉」が2020年2月16日まで開催中だが、注目度が上昇しているのが「二河公園」エリアだ。
主人公である18歳の「すずさん」が広島から呉の北條家へ嫁いだのは昭和19年(1944年)2月。戦時下にあって、呉は当時の日本海軍の一大拠点。海軍文官の北條周作の妻としての日々が始まる。同年8月、道を間違え、遊郭に迷い込んだすずは、そこで働く同世代の女性リンと出会う。そんな中で浮上する夫・周作とリンにまつわる秘密。
二河公園の花見で遭遇したすずとリンの構図が、ポスターなどでファンに浸透
戦局が厳しさを増していた昭和20年春、空襲の合間であっても人々は花見に集う。北條家も一家そろって花見を楽しんだ。そこで主人公すずはリンに遭遇する。咲き誇る桜を背景にしたすずとリンの構図は、ポスターなどに使われ、すっかりファンの間ではおなじみになっている。
スタンプラリーの6か所のスタンプ設置場所の一つは、「れんがどおり商店街」にある「街かど市民ギャラリー90(くれ)」。この商店街では映画館・呉ポポロシアターで「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が上映されており、ずらりとポスターが掲示されている。また、「街かど市民ギャラリー90(くれ)」内のスタンプ設置場所にも、チラシが貼り出されている。いずれの図柄も、二河公園の桜を背景にしたすずとリンだ。このような「すず、リンと桜」の構図のポスター類が全国各地で掲示されており、ファンの間で「二河公園の桜」が浸透し、「聖地巡礼」での注目度が上昇中だ。