【鉄印帳の旅】わたらせ渓谷鐵道
第三セクター鉄道が7月から展開している鉄印を求め、群馬県のわたらせ渓谷鐵道へ。
桐生駅から1両編成の普通列車に乗り込む。鉄印帳の記帳ができる大間々(おおまま)駅は帰りに立ち寄るとして、まずは先を目指す。大間々駅を出てほどなくしてからは車窓右手に渡良瀬川の川面を望みながら、山へと駆け上がっていく。開業当時の面影を色濃く残す上神梅(かみかんばい)駅、さらに春の桃源郷としても知られる神戸(ごうど)駅を過ぎ、沿線随一の長さの草木トンネルを抜けると、目的の通洞(つうどう)駅に着いた。歩いて「足尾銅山観光」へ。わたらせ渓谷鐵道の前身・足尾鉄道が鉱石を運んだ足尾銅山の坑道跡が保存され、当時の様子を今に伝えている。
通洞駅から引き返し水沼駅で途中下車。ホームのすぐ脇の水沼駅温泉センターで、「畑のうなぎ」とも呼ばれる大和芋をふんだんに使った山うなぎ弁当(1,080円)を買い、待合室で味わう。
再び列車に乗り鉄印をもらうため大間々駅で下車。わたらせ渓谷鐵道では、品川知一社長直筆の鉄印が描かれた鉄印帳が購入できるほか、記帳のみの場合は地元の名産である桐生和紙を使った鉄印が購入できる。いずれも中央にロゴマークである「わ鐵」の赤い印が押され、まさに鉄道版の御朱印と呼ぶのに相応しいデザインとなっている。
帰りしな、駅から少し離れたところに2019年新たにオープンしたという「蔵人新宇(くらーとあらう)」に立ち寄る。蔵出しのレトロな日用食器を土産に購入し大間々駅をあとにした。
同線では、名物列車「トロッコわたらせ渓谷号」の運転再開に続き、8月からは「トロッコわっしー号」の運転も再開。今度は渓谷を吹き渡る風を肌で感じながら、列車の旅を楽しんでみたい。
文・写真/越信行
わたらせ渓谷鐵道
鉄印帳の販売・鉄印の記帳は相老駅、大間々駅で、窓口営業時間対応(鉄印の記帳は9時~17時)。鉄印帳2,200円/鉄印の記帳料300円(乗車券の提示が必要)
電話0277・73・2110
(出典「旅行読売」2020年10月号)
(ウェブ掲載 2020年9月23日)
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