日本の最西端へ 与那国島で逢いましょう
【2日目】
与那国島の南岸沖の海底地形
海と星にひたる癒やしの時間
与那国島の滞在2日目は島の雄大さを存分に楽しむ日。まずは祖納(そない)集落から山へと車を走らせて、ティンダバナへ。
駐車場から亜熱帯の木々が茂る林の中を歩くこと数分、荒々しく突き出した岩山の頂近くのくぼみに到る。天然の展望台のようなこの場所がティンダバナで、島を最初に治めた16世紀の女性首長、サンアイ・イソバが住んだという伝説が残る。眼下に祖納集落、奥には弧を描くナンタ浜と祖納港。なるほど、島の長にはこの絶景がふさわしい。
南岸沖に沈む、謎めいた海底地形の探検にも出かけたい。半潜水艇で久部良(くぶら)港から20分、青一色の海底にある、人が作ったとしか思えない階段やテラスのような地形に息をのむ。
船長の新嵩(あらたけ)喜八郎さんがマイク越しに「階段は一段がとても大きく、人間は到底登れない高さです」と解説する。段差は直角で溝や直線はほぼ東西南北を向く。諸説あるが、地盤沈下で海に沈んだ遺跡との見立てが有力だとか。なんと、船長自身が発見者だという。
午後はヨナグニウマの馬遊びを楽しもう。ちまんま広場は馬好きが高じて移住した西山博史・真梨子さん夫妻が営む牧場だ。「挨拶がわりに頭を撫でて、仲良くなってくださいね」と真梨子さん。在来種のヨナグニウマは性格が穏やかで、初心者でも難なく場外コースに行ける。崖と緑の風景は、恐竜映画でお馴染みのハワイのクアロアランチにも似た雄大さだ。
時季が夏なら浜辺の海馬遊びを体験したい。取材時に出会ったカップルは「テレビで見た憧れの海馬遊び。これがしたくて与那国島に来たんです!」と満面の笑み。
そして夕食では伝統的な甘い醤油で味わうカジキの刺し身を堪能した。店を出てふと見上げると、満天の星。降るような星に全天周を囲まれて、満ち足りた気持ちで宿へ向かった。
ちょっと立ち寄り与那国スポット
Dr.コトー診療所ロケ地
島南部の比川浜に立つ人気ドラマの撮影セット。架空の島名を冠した「志木那島診療所」の看板や待合室などもあの名作そのままで、ファンの心をつかむ。
与那国町与那国/TEL:090-5294-4445(比川地域づくり協議会)/10時~17時、不定休/ 300 円(高校生以下無料)
与那国島産カジキを食べるならココ!
ビヤガーデン国境(はて)
祖納集落にある人気店。カジキの美味しさを引き出す調理で、空揚げはサクサク、カジキのハラゴの刺し身は和風カルパッチョのような味わいだ。
与那国町与那国22-4/TEL:0980-87-3255/18時30分~22時(21時LO.)、木曜休
居食家 どぅぐいわり
祖納の東外れにひっそりたたずむ、地元客に定評がある一軒。メニューは和洋問わず幅広いが、名物のカジキ料理は外せない。
与那国町与那国564-1/TEL:0980-87-3739/18時~24時(22時LO.)、日曜休
与那国島で泊まるならココ!
はいどなん
本館と新館からなる30室の民宿。久部漁港に面し、日本最西端の夕日が目の前
に。港を眺望できる新館2階の海側客室がおすすめだ。
与那国町与那国4022-235/TEL:0980-87-2651/1泊朝食9000円~(新館海側)