【新・日本の絶景】全国“とっておき”絶景スポット39選(1)

絶景とは、見る者に忘れがたい印象を残す素晴らしい景色のこと。そんな佳景(かけい)を求め見知らぬ地に遊ぶのは、旅の醍醐味の一つです。2025 年に見たい、新しいタイプの“日本の絶景”を全国からご案内します。知られていない“穴場の絶景”を地元の観光通に聞き、自然景観、アート作品、建築物、寺社、花畑など、2025年にぜひ見たい、新しい日本の絶景39選をご紹介します。
然別湖湖底線路<北海道・鹿追町>
透明な湖底に向かって延びるレール
大雪山国立公園のトドマツやダケカンバの原生林に囲まれ、標高約810メートルの高所にある然別湖(しかりべつこ)。南側の然別川となって流れ出す付近で、湖底に向かって線路が沈んでいく光景が見られる。氷結する前に遊覧船を陸に引き上げるためのレールだ。澄んだ青空と青い湖に沈む、どこまでも続くような線路は幻想的だ。
ベストシーズン 5月下旬〜10月下旬
営業:見学自由
交通:根室線新得駅からタクシー50分/道東道十勝清水ICから45キロ
問い合わせ:TEL 0156-66-4034(鹿追町商工観光課)
Mountain Lights<北海道・倶知安町>
空と陸から眺める圧巻の光の空間芸術
ニセコHANAZONOリゾートで開催される英国人アーティスト、ブルース・マンローが手掛ける没入型の大規模な光のアートインスタレーション。スキー場の斜面に沿うように光ファイバーケーブルによる数十万の光の粒で表現される作品を展示。ゴンドラに乗って空から作品全体を見渡すこともできる。
ベストシーズン 7月上旬〜10月上旬
営業:7月上旬〜10月上旬の日没〜22時/無休/2800円 (2025年は変更の可能性あり)
交通:函館線倶知安駅からタクシー10分/北海道横断道余市ICから48キロ
住所:倶知安町岩尾別328-36
問い合わせ:TEL 0136-21-6688(公式サイト)
仁賀保高原<秋田・にかほ市>
鳥海山や日本海の夕日が美しい
鳥海山の北麓、標高約500メートルに広がる仁賀保高原は、広大な牧場と湿原に大小の湖沼が点在する。2020年に最南端の風車エリアに南展望台が誕生。南東には鳥海山と山体崩壊の痕跡、西側に日本海に沈む夕日を見られる。眼下にブナの原生林が広がり、新緑から紅葉、初冠雪の山容と雄大な景観を一望できる。
ベストシーズン 春〜晩秋
営業:見学自由(4月下旬〜11月上旬)
交通:羽越線仁賀保駅からタクシー20分/日本海東北道仁賀保ICから13キロ
問い合わせ:TEL 0184-43-6608(にかほ市観光協会)
多賀城南門<宮城・多賀城市>
復元された格式高い門の威容
724年に設置された多賀城。2024年に創建1300年記念事業として特別史跡内に南門が復元された。格式のある二重門で高さ14.5メートル、朱塗りの柱に白漆喰の荘厳な建造物だ。両脇には高さ5メートルの築地塀も。周辺の整備も進められ、25年4月に公開スタート。史跡内は4月に桜、6月にアヤメが咲き、華やかな雰囲気に。
ベストシーズン 4月上旬〜中旬、6月中旬〜下旬
営業:見学自由
交通:東北線国府多賀城駅から徒歩15分/三陸沿岸道多賀城ICから1キロ
住所:多賀城市市川田屋場
問い合わせ:TEL 022-364-5901(多賀城市観光協会)
丸池様(丸池神社)<山形・遊佐町>
エメラルドグリーンの神秘的なご神体
写真/ピクスタ
鳥海山大物忌(おおものいみ)神社の境外末社で、古くから「丸池様」と呼び習わされる。鳥海山からの伏流水を水源とした直径約20メートルの池そのものがご神体で、美しいエメラルドグリーンの水面と沈んだ倒木が朽ちることなく見える光景が神秘的だ。澄みきった牛渡(うちわたり)川がそばを流れ、初夏にはバイカモが白い花を咲かせる。
ベストシーズン 初夏
営業:見学自由
交通:羽越線吹浦駅から徒歩25分/日本海東北道遊佐鳥海ICから4キロ
住所:遊佐町直世荒川57
問い合わせ:TEL 0234-72-5666(遊佐鳥海観光協会)
空気神社<山形・朝日町>
光沢板に映えるブナ林の新緑と紅葉
写真/ピクスタ
世界に一つだけの空気をご神体とする神社。ブナ林の中に5メートル四方のステンレス板を鏡に見立てて設置、四季折々の風景を映し込むことで空気を表現する。特に新緑と紅葉の時期は色鮮やかな光景を映し出す。2025年は6月5・7・8日に空気まつりを開催。6月〜8月は森をライトアップし、より幻想的に。
ベストシーズン 6月上旬〜11月上旬
営業:参拝自由(冬季閉鎖)
交通:左沢線左沢駅からタクシー40分/山形道寒河江スマートICから27キロ
住所:朝日町白倉745-1
問い合わせ:TEL 0237-67-2134(朝日町観光協会)
かわうち草野心平記念館「天山文庫」<福島・川内村>
茅葺民家で眺める屏風絵のような風景
川内村を愛した詩人・草野心平が蔵書を寄贈したのを機に建てられた。なだらかな山並みに囲まれて立つ、細部に意匠を凝らした茅葺き屋根の木造家屋で、自然の風景に溶け込んでいる。吹き抜けの居間では外の樹木が床面に映り込み、新緑から紅葉と季節の葉が彩り、一幅の屏風絵のような美しさだ。
ベストシーズン 5月中旬〜6月中旬、10月下旬〜11月上旬
営業:9時〜16時/月曜休(祝日は開館)/300円(草野心平資料館と共通)
交通:磐越東線神俣駅からバス35分、川内農協下車徒歩10分/磐越道磐越富岡ICから20キロ
住所:川内村上川内早渡513
問い合わせ:TEL 0240-38-2076
【新・日本の絶景】全国“とっておき”絶景スポット39選(2)へ続く(5/21公開)
※料金等すべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2025年2月号)
(Web掲載:2025年5月20日)