【新・日本の絶景】全国“とっておき”絶景スポット39選(2)

絶景とは、見る者に忘れがたい印象を残す素晴らしい景色のこと。そんな佳景(かけい)を求め見知らぬ地に遊ぶのは、旅の醍醐味の一つです。2025 年に見たい、新しいタイプの“日本の絶景”を全国からご案内します。知られていない“穴場の絶景”を地元の観光通に聞き、自然景観、アート作品、建築物、寺社、花畑など、2025年にぜひ見たい、新しい日本の絶景39選をご紹介します。
【新・日本の絶景】全国“とっておき”絶景スポット39選(1)から続く
野木町煉瓦窯<栃木・野木町>
近代化産業遺産と並木のハーモニー
写真/ピクスタ
明治から昭和期の80年以上にわたり活躍したホフマン式の旧下野煉化(しもつけれんが)製造会社煉瓦窯。国の重要文化財に指定され、近代化産業遺産群にも認定。建物の北側に並ぶ高さ約30メートルのメタセコイア並木との景観が美しく、11月の紅葉の時期は並木がライトアップされる。煉瓦窯のガイド付き見学ツアーも開催。
ベストシーズン 4月下旬〜5月中旬、11月中旬〜下旬
営業:煉瓦窯見学は9時〜16時30分/月曜休(祝日の場合は翌日休)/100円
交通:東北線古河駅からタクシー10分/東北道加須ICから18キロ
住所:野木町野木3324-10
問い合わせ:TEL 0280-33-6667(野木ホフマン館)
鼻高展望花の丘<群馬・高崎市>
四季を通じてさまざまな花畑が見られる
写真/ピクスタ
高崎市西部の耕作放棄地が、地元住民によって花畑に生まれ変わった。上毛(じょうもう)三山を一望できる鼻高町の丘の上に、春はネモフィラ、夏はヒマワリ、秋はコスモス、冬〜春は各種の黄色の菜の花など色とりどりの花が咲き、四季それぞれの絶景が見られる。春には菜の花祭り、秋にはコスモス祭りが開催される。
ベストシーズン 4月中旬〜5月上旬、9月中旬〜10月中旬
営業:見学無料
交通:高崎線高崎駅からバス30分、鼻高展望花の丘下車すぐ/関越道高崎ICから13キロ
住所:高崎市鼻高町1400
問い合わせ:TEL 090-3246-8088(鼻高町をきれいにする会)
加須気球体験<埼玉・加須市>
空中で風と浮遊して見渡す絶景
熱気球パイロットの操縦で空の冒険へ。地上とロープでつないだ係留体験(最高高度30メートル)とフリーフライト体験(同1000メートル)がある。天気が良ければ東に筑波山、西に富士山、北に日光男体山を望める。ゴンドラで風とともに飛ぶ、不思議な浮遊感の中、眺める景色は唯一無二の絶景だ(所要約3時間)。
ベストシーズン 10月〜4月頃
営業:係留体験は日の出30分前〜、日没2時間前〜(4月〜9月は早朝のみ)1万2900円〜、フリーフライト体験(早朝のみ)3万9800円
交通:東武日光線藤岡駅からタクシー15分/東北道佐野藤岡ICから10キロ
住所:加須市小野袋1663-1
問い合わせ:contact@solabase.com
鹿野山九十九谷展望公園<千葉・君津市>
雲海、星空、初日の出の絶景ポイント
写真/千葉県君津市
標高379メートルの鹿野山山頂にあり、浸食によってできた山や谷が重なり合う九十九谷を一望できる。秋〜冬の早朝に発生する雲海は、幾重にも連なる山々の稜線が霧の中に浮かび上がり、絶景そのもの。水墨画のような日の出前とその直後に朝日が輝く光景も美しく、初日の出スポットとしても知られる。
ベストシーズン 9月〜12月
営業:見学自由
交通:内房線佐貫町駅からバス30分、神野寺下車徒歩20分/館山道君津ICから15キロ
住所:君津市鹿野山東天峪119-1
問い合わせ:TEL 0439-56-1325(君津市経済振興課観光振興係)
文/田辺英彦
さがみはらリニアひろば<神奈川・相模原市>
リニア新幹線新駅の作業風景を一望
東京と大阪を67分で結ぶリニア中央新幹線の新駅・神奈川県駅(仮称)の工事の様子を見ることができるのが、工事現場に隣接する同ひろば。完成する駅は長さ680メートル、最大幅50メートル、深さ30メートルの地下3層構造で、相原高校の跡地一帯ほかに建設中。敷地の広大さも目を見張るが、掘削された巨大な空間も見どころ。
ベストシーズン 通年
営業:原則、金曜、第1・3・5土曜の10時~16時/無料
交通:JR・京王相模原線橋本駅からすぐ/中央道八王子ICから11キロ ※ひろばにPなし。近隣の有料Pを利用
住所:相模原市緑区橋本2-1-18
問い合わせ:TEL 042-703-4781(JR東海中央新幹線神奈川西工事事務所)
サントリー登美の丘ワイナリー<山梨・甲斐市>
ブドウ畑と富士山が織りなす大パノラマ
自然の恵みとワインのおいしさを体験できるワイナリーを目指して2022年にリニューアル。その目玉の一つとして誕生したのが富士見テラスだ。ブドウ畑越しに甲府盆地と富士山が織りなす光景は開放感たっぷり。どの季節も爽快な眺めだが、特にブドウが実り、収穫を終えるまでの時期は自然の豊かさも実感できる。
ベストシーズン 5月~10月
営業:10時~16時30分/水曜、年末年始休 ※臨時休あり/無料(有料ツアーあり)
交通:中央線甲府駅から無料シャトルバス30分(金・土・日曜、祝日運行)/中央道双葉スマートICから6キロ
住所:甲斐市大垈2786
問い合わせ:TEL 0551-28-7311
拾ヶ堰<長野・安曇野市>
芝桜と桜が彩る安曇野最大の水路
写真/ピクスタ
1816年に完成した灌漑(かんがい)用水路。幅約10メートル、長さ約15キロと安曇野随一の規模を誇り、その名は当時、10か村を潤していたことに由来する。拾ヶ堰(じっかせぎ)随一のビュースポットが拾ヶ堰じてんしゃひろば。特に春の眺めは格別で、雄大な常念岳をバックに色鮮やかな芝桜と桜並木が水路を彩り、華やかな景色を楽しめる。
ベストシーズン 4月上旬~中旬
営業:見学自由
交通:大糸線南豊科駅から徒歩15分/長野道安曇野ICから4キロ
問い合わせ:TEL 0263-82-3133(安曇野市観光協会)
竜王洞<新潟・佐渡市>
神秘的な世界に変わる“青の洞窟”
佐渡島の南端に位置する琴浦にある個性豊かな海食洞群の一つで、佐渡最大の溶岩洞窟。見ものは佐渡の“青の洞窟”と称される神秘的なブルーの世界。波が穏やかでよく晴れた日には太陽の光が深く差し込み、海の色が澄みきった青に光る。見学は周辺の崖崩れのためシーカヤックやモーターボートのツアーでのみ可。
ベストシーズン 8月
営業:見学自由
交通:小木港からバス19分、宿根木新田下車徒歩15分/小木港から4キロ
問い合わせ:TEL 0259-27-5000(佐渡観光交流機構)
文/木村理恵子
【新・日本の絶景】全国“とっておき”絶景スポット39選(3)へ続く(5/22公開)
※料金等すべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2025年2月号)
(Web掲載:2025年5月21日)