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【添乗員日記】深夜、氷河が崩れ落ちる音を聞きながら。――南極・ロンジェ島でのキャンプ

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【添乗員日記】深夜、氷河が崩れ落ちる音を聞きながら。――南極・ロンジェ島でのキャンプ

ロンジェ島、寝床からの風景


選ばれし希望者のみが参加できる人気のオプショナルツアー「ロンジェ島でのキャンプ」。テントもなく、ただ寝袋に入り南極の外気の中で一夜を過ごすという、ある意味無謀な挑戦である。

夜22時30分過ぎ、勇猛果敢な34名の参加者とともに母船を後にし、ゾディアックボートでキャンプ地「ロンジェ島」へ上陸。真夜中だというのに明るい。不思議と不安感はなく、白夜がより高揚感を高めてくれる。島にはすでに先客がいて、数羽のペンギンと10数頭のアザラシが「誰だ?」と言わんばかりに時折我々を顧みる。

寝床を探す


探検スタッフから寝床の作り方(寝やすいように雪を平らに踏み固めるだけだが)、トイレの説明(雪を深く掘った場所にポリバケツを埋め込んだだけのもの)、その他注意事項の説明を受けた後、まずは寝床を確保。就寝までの時間、周囲の散策や写真撮影、動物観察などで各々時間を過ごし、深夜24時頃には皆寝袋に入っただろうか。

気温は0度ほど。靴下2枚、ズボン3枚、上着は5枚、そして耳当て付きの帽子で防寒対策は万全。また、耐寒の寝袋、防水の寝袋カバーも快適で、目だけを寝袋から出しぼんやり空を眺めていると自然に寝入っていた。

ところが、深夜2時過ぎ急激に寒気を感じ、目が覚めた。かいた汗と自身の吐く息が外気で冷やされ、体と顔を覆う。冷たい、寒い……。タオルで水気を拭きつつまた眠りに入り、また寒さで目が覚める。とてつもなく……寒い。遠くでは氷河が崩れ落ちる轟音、近くの崖からは雪の塊がガラガラと落ちる音、アザラシやペンギン、そして鳥たちの鳴き声、波の音、風の音。全ての音が、寒さ同様、改めて大自然の中に身を置いている事実を思い起こさせる。自然の厳しさと壮大さを感じる一方、否が応でも人間の小ささを感じざるを得ない。

ロンジェ島より母船を望む

早朝5時頃起床。数頭のアザラシが我々の寝床をすり抜けて反対側へ移動していた。いつの間に? 参加者一同そんな談笑をしながら、客人としてお邪魔していたのは自分達だったねと、自然への敬意を新たに爽やかな笑顔に包まれていた。そして、朝6時過ぎ、34名全員無事母船へ帰還。

南極の大自然よ、貴重な体験をありがとう。

 

読売旅行/五十嵐 亮


Writer

たびよみ編集部 さん

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