【旅する喫茶店】駅茶 mogura(水上)
駅が無人化された1985年の備品や雑誌が残っている店内
谷川岳の麓、階段を486段上る無人駅
なぜ店名が〝モグラ〞なのか。それは店が上越線土合(どあい)駅の駅舎内にあり、同駅が「日本一のモグラ駅」と言われているから。地下70 ㍍の新清水トンネル内に下り(越後湯沢方面)ホームがあり、外へ出るには階段を486段上らなくてはならない。ちなみに上り(高崎方面)ホームは地上にある。
谷川岳登山の入り口となる駅だが、今は無人駅。駅直結のグランピング施設DOAI VILLAGE (ドアイ ヴィレッジ)のオープンに先駆けて、2020年8月に開店した。特徴は駅の事務室が有人駅だった当時の雰囲気を残したまま改装されていること。黒板や張り紙など、備品を残してもらったという。きっぷを販売していた窓口はそのままなので、店内から見ると駅員になった気分。駅員の制帽もあり、記念撮影できる。
ハンドドリップコーヒー(深煎りまたは浅煎り)、カフェオレのほか、ブルーベリースカッシュ、地元みなかみのクラフトビールもある。さらには店名と同じ名の芋焼酎「もぐら」も。列車の汽笛や通過音を聞きながら一献傾けるのは、至福のひと時だ。
土合駅から1時間30分歩くと、谷川岳東面の一ノ倉沢に着く(徒歩20分の谷川岳ロープウェイ乗り場のロータリーから電気バスあり。11月中旬まで)。大岩壁を下りてくる紅葉は10月中旬〜下旬が見頃。
文/中野秀俊 写真/遠藤 潤
住所:群馬県みなかみ町湯檜曽
交通:上越線土合駅内(下りホームから徒歩10分、上りホームからすぐ)
TEL:0278-25-8981
(出典 「旅行読売」2021年10月号)
(ウェブ掲載 2021年10月3日)
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