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駅麺紀行 ぷらっときすみの【小野町駅】

場所
> 小野市
駅麺紀行 ぷらっときすみの【小野町駅】

つゆのかえしは瓶で2週間寝かせ、まろやかな味わいに

兵庫県産そば粉で打つ本格派

加古川(かこがわ)駅から加古川沿いの単線を北上すること約20分、無人駅の小野町駅には、「地元産そば粉を使った本格派のそばを良心的な価格で味わえる」と、週末に行列ができるそば店がある。

運営するNPO法人「ぷらっときすみの」は、もともと地元の営農組合の加工グループだったそう。地元産そば粉を使ったそば打ち体験の食育授業の時、小学生の「こんなおいしいそばを食べられるんやったら、大人もやってみたらええねん」の一言に触発され、そば栽培とそば打ちに本腰を入れるようになり、地域のイベントで評判に。市のバックアップを受ける形で2004年、無人駅の小野町駅改装に併せ駅舎に店を開いた。

注文したざるそばの香りとのど越しの良さは、二八ならでは。手打ちでコシが強く、かむほどにじわりとそばの味わいが広がる。兵庫県産のしょうゆとみりんを使い、昆布の甘み、カツオ節やシイタケなどの風味を利かせた、繊細ですっきりした味わいの麺つゆとも相性が良く、普通の店よりやや多めの150㌘のそばも、あっという間につるりとたいらげてしまった。

「おいしさを求めて、実は栽培するそばの品種も変えていきました。現在使っている常陸(ひたち)秋そばは3代目で2018年から導入。香りや風味が良いとお客さまからご好評をいただいています。2020年12月には念願の製粉所を開設し、朝に挽(ひ)立てのそば粉を店内で打てるようになりました」と、ぷらっときすみの理事長の藤井力雄さん。

そばメニューはプラス300円で十割にもでき、日替わりご飯と小鉢付きの定食もある。また、1日200本ほど売れるという太巻きの巻き寿しも見逃せない。そばのだし作りを教えてくれた大阪の辻調理師専門学校の先生から手ほどきを受け、そばと並ぶ看板商品だ。


文・写真/児島奈美

 

【お品書き】(※2021年4月現在の料金)

巻き寿し ◉530

ざるそば ◉700

おろしそば 750円

とろろそば 850円

鴨南蛮そば 1000円

巻き寿司
卵焼きやゴボウなど7種の具が、味わいや食感、彩り豊かに巻かれている
小野町駅
小野町駅の駅舎
加古川線
加古川線では、9月頃に沿線に咲くそばの白い花を車窓から眺められる

ぷらっときすみの

住所:加古川線小野町駅改札外

問い合わせ:0794-62-5116

(出典 2021年臨時増刊「駅麺紀行」)

(ウェブ掲載 2021年9月30日)

駅麺紀行表紙
臨時増刊「駅麺紀行」(定価1000円)は全国の書店、オンライン書店で好評発売中。お近くの読売新聞の販売店でも注文できます

Writer

児島奈美 さん

神戸生まれ。学生時代にバイクで北海道、九州、信州を巡って旅に目覚め、約40か国渡航。1か月のキャンプ旅でも太って帰ってくる食いしん坊で、現在は、旅・グルメ・人物インタビューを中心に、ガイドブックや雑誌、Webなどの制作に携わる。「旅行読売」ではルポがメイン。鉄子や歴女の道も着々と歩む。

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