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聖徳太子ゆかりの滋賀・東近江 1400年続く太子伝説の地へ

場所
> 近江八幡市 東近江市 日野町 竜王町
聖徳太子ゆかりの滋賀・東近江 1400年続く太子伝説の地へ

飛鳥で政治制度を改革した皇子は、近江で民衆の信仰の対象となった。 琵琶湖の東に色濃く残る伝説を訪ね、悠久の聖徳太子の物語を知る。

海を渡ってやって来た制度や技術、仏教を広めた聖徳太子。近畿にはゆかりの地が点在している。滋賀県には聖徳太子の開基と伝わる寺院が27もあり、全国一位だ。中でも東近江地域には太子伝説が色濃く残っている。寺院では「本尊を聖徳太子が彫った」「太子が寺を開いた」など、太子の名よく聞く。

観音正寺もその一つ。昔、太子が巨岩の上で舞う天女を見て岩を『天楽石』と名付け、内部に五仏を描いた。さらに天照大神・春日明神のお告げで千手観音を描く。その後、釈迦如来と大日如来が現れ、観音の化身である太子に千手観音を彫るよう啓示を与えた。これが本尊となったという。「生まれながら言葉を話した」などの伝説を生み、観音の化身にまでなった聖徳太子。超人的な太子の能力と、人々の「聖徳太子信仰」や太子へのまなざしが感じられる物語だ。

観音正寺

観音正寺(かんのんしょうじ)

釈迦如来と大日如来から太子が啓示を受け千手観音を彫ったことが起源と伝わる。現在の本尊は高さ6.3㍍の白檀観音。近江八幡市安土町石寺2/8時~17時/拝観料500円/無休/TEL:0748-46-2549

太郎坊宮

太郎坊宮(たろうぼうぐう)

太子が祈願、最澄が参篭したと伝わる岩山に張り付くように立つ社。勝運の神として知られている。東近江市小脇町2247/9時~16時30分(各種受付)/拝観無料/無休/TEL:0748-23-1341


湖東三山の一つ、百済寺は太子の勅願で開かれた近江最古級の寺院。太郎坊山の麓に宿をとった太子が、東の山中に光を見た。山へ行くと、幹の上半分が切られた大木が光っている。「聖木」だと感じた太子は、観音菩薩を彫る第一刀を入れた。本尊の植木観音の由来だ。 

2022年は聖徳太子薨去(こうきょ)から1400年。なぜ近江には太子の伝説が多く残るのか。寺院や神社を巡り、太子の足跡や物語を訪ね歩いてみてはいかがだろうか。

百済寺

百済寺(ひゃくさいじ)

606年開基の渡来人ゆかりの寺。ルイス・フロイスが「地上の天国」と評すが、信長の焼き討ちで灰燼に帰す。秋は全山が赤く染まる。東近江市百済寺町323/8時30分~16時30分/拝観料600円/無休/TEL:0749-46-1036

数珠作りと聖徳太子

太子建立の願成就寺の周辺では村人に数珠作りが伝えられた。木珠製造の「カワサキ」では厳選されたトチやカエデを材料に「紫根染め」という技法で染色した記念商品を限定販売中。ネックレス4万5000円~、ブレスレット3万8000円~、イヤリング3万3000円~。近江八幡市中村町690/TEL:0748-33-5101

ブレスレット

聖徳太子霊特別朱印めぐり

東近江地域にある聖徳太子ゆかりの11社寺では、10月1日から特別朱印を授与する。料金は300円~。詳しくは問い合わせ先まで

参加11社寺 願成就寺、長命寺、長光寺、観音正寺、石馬寺、市神神社、百済寺、瓦屋禅寺、太郎坊宮、竜王観音禅寺、正明寺

特別朱印

見て聞いて知る太子伝説

講談「近江と聖徳太子」

太子の史実や伝説を元にした新作講談。講談師の四代目・玉田玉秀斎が大胆に想像・創作し口演する。
【日時】11月13日(土)14時~16時
【場所】雪野山史跡広場「妹背の里」妹背の館 先着50名(無料・要申し込み)
【申し込み先】竜王町観光協会 TEL:0748-58-3715

舞楽奉納「蘇莫者(そまくしゃ)」

太子が河内の亀ケ瀬を通ったとき、馬上で笛を吹くと山の神が現れて喜び舞ったと伝わる舞。
【出演】南都楽所
【日時・場所】2022年2月23日(水) 願成就寺(15時半~)、日牟禮八幡宮(18時~) ※詳しくは問い合わせ先まで

 

 

玉田玉秀斎師
玉田玉秀斎師
南都楽所
南都楽所

近江の聖徳太子魅力発信事業

滋賀・東近江地域の東近江市、近江八幡市、日野町、竜王町では聖徳太子薨去1400年を迎える2022年から2023年にかけて、秘仏のご開帳や特別公開、さまざまなイベントが開催予定。この秋からはプレイベントも開催。

<アクセス>

電車/東海道新幹線米原駅または京都駅から東海道線にのりかえ能登川駅または近江八幡駅または安土駅下車

車/名神高速竜王IC、蒲生スマートIC、八日市IC、湖東三山スマートICを利用

<問い合わせ>

聖徳太子1400年悠久の近江魅力再発見委員会 TEL:0748-24-5662(東近江市観光物産課)

 

(出典「旅行読売」2021年11月号)

(ウェブ掲載 2021年10月27日)

 

Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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