駅舎のある風景 南阿蘇白川水源駅【南阿蘇鉄道高森線】
“水の生まれる里”で阿蘇山を眺める新駅
昨年の春、約10年ぶりに阿蘇山周辺を旅した。
阿蘇五岳(ごがく)の南麓を走り、立野(たての)駅と高森駅とを結ぶ南阿蘇鉄道高森線は、阿蘇山の雄大な風景が見られる人気路線だ。
南阿蘇白川水源(みなみあそしらかわすいげん)駅は、環境省の名水百選に選ばれた白川水源の最寄り駅で、地元南阿蘇村の要請により高森線10番目のもっとも新しい駅として開業した。背後に阿蘇内輪山の美しい山並みがそびえ、春になるとホーム前にサクラソウが花開く。
高森線は2016年の熊本地震によって一時全区間が不通となったが、その年の7月には高森—中松駅間でいち早く運転を再開。名物のトロッコ列車を含め1日3、4本の列車が今もひた走る。
かわいらしいトロッコ列車を見送りながら1日も早い全線復旧を願った。
文・写真/越信行
旧国鉄高森線は1928年に開業し、1986年に南阿蘇鉄道に転換。南阿蘇白川水源駅は2012年開業。立野—中松駅間は現在不通(2023年夏に復旧予定)
(出典:「旅行読売」2020年4月号)
(WEB掲載:2022年5月10日)