鳥鐵駅印の旅 若桜鉄道 ~鳥取県~
国登録有形文化財の第一八東川橋梁を走る昭和号(八頭高校前駅―因幡船岡駅)
2021年、鳥取県が開始した駅の御朱印ともいえる「鳥鐵駅印」。車窓に映るのどかな鳥取の風景と駅印集めを楽しみながら、町をぶらり。土地とのふれあいも「鳥鐵」の醍醐味だ。
鳥取駅から因美線で15分の郡家駅を起点に南東へ鉄路がのびる若桜鉄道。2022年4月15日から「鳥鐵駅印 若桜鉄道編」が始まったと聞き、ローカル線の旅に出た。
郡家駅舎内の八頭町観光協会で乗り降り自由のお得な「1日フリー切符」760円を購入するとともに、駅印帳と八頭町内の8駅の駅印を入手。列車に乗り込み、出発!
八頭高校前駅を発車するとじきに八東川を渡る。若桜鉄道は八東川や、鳥取と姫路を結んだ旧若桜街道と並行して走る。八東川は主に線路の北側を流れているので、若桜駅行きに乗車したら進行方向側の座席がおすすめだ。
鉄道風景を眺め、「昭和」の旅情にひたる
隼駅に到着した。かつて、東京から九州まで走っていたブルートレインと同じ名前の駅として知られ、最近はその名にちなみ、大型バイク「隼」のライダーの聖地に。バイク「隼」ラッピングの車両も運行中だ。
若桜鉄道では数々の人気列車を手掛けている、工業デザイナー・水戸岡鋭治さんがプロデュースした3両の観光列車が話題に。青色の車体の昭和号、エンジ色の八頭号、グリーンの若桜号で、いずれも車内は木材を生かし、ボックス席の間には、木製のテーブルを配置している。額に入った絵画などを飾るなど、温かみと落ち着きのある内装だ。
若桜鉄道の前身、若桜線が全線開通したのが、昭和5年(1930年)。「若桜鉄道の魅力の一つは、昭和の風景です。ノスタルジックな『駅印旅』を楽しんでください」と笑顔で語る総務部長の矢部雅彦さん。「水戸岡さんのアドバイスにより、 全ての駅を改修し、さらに『昭和感』が増しました。駅印を集めながらレトロな駅舎もご覧ください」。
因幡船岡、隼、安部、八東などの木造駅舎が現存し、盆地状の地形の中を線路が走り、車窓に懐かしい里山の風景が映る。沿線はリンゴやナシなどの果樹栽培が盛んな地。安部駅の周辺は、名産の花御所柿や西条柿の木も車窓の両側に見られる。
2008年、23もの若桜鉄道の関連施設が一括して国登録有形文化財に登録。貴重な「鉄道遺産」を求めて訪れるファンも多い。終点の若桜駅構内にはSL時代の転車台や給水塔が残る。
若桜駅周辺の町並みは2021年8月、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。郡家駅から若桜駅まで19.2キロ、30分ほどのレトロな列車旅の後は、若桜宿の古い町並みが待っていた。
若桜鉄道 ~鳥鐵駅印&駅周辺情報~
郡家駅
八頭高校前駅
因幡船岡駅
隼駅
HOME8823(ホーム ハヤブサ)
やずミニSL博物館(やずぽっぽ)
安部駅
御菓子司ますだ
八東駅
丹比駅
若桜駅
弁天まんじゅう本舗
昭和おもちゃ館
太田酒造場
「 鳥鐵駅印~若桜鉄道編~」販売所
若桜鉄道の鳥鐵駅印帳(1650円)と各駅のオリジナル駅印(各300円)を2か所で販売中。
■郡家駅、八頭高校前駅、因幡船岡駅、隼駅、安部駅、八東駅、徳丸駅、丹比駅
八頭町観光協会・・・八頭町郡家648-6 郡家駅コミュニティ施設 ぷらっとぴあ・やず内(郡家駅構内)/TEL:0858-72-6007/9時15分~ 18時/12月31日、1月1・2日休
■若桜駅
若桜町観光案内所・・・若桜町若桜356-1(若桜駅前)/TEL:0858-82-5500/9時30分~ 17時/年末年始休
<購入のポイント>
販売所では若桜鉄道の当日の乗車券または降車証明書を提示。
降りる駅で乗車券を駅係員または乗務員に渡す場合には、降車証明書をもらうことを忘れずに。
全9駅の鳥鐵駅印を集めて、販売所に持参するとオリジナル記念ポスターを進呈。
合わせて巡りたい! 「鳥鐵駅印~伯備線編~」
鳥鐵駅印の第1弾として2021年10月スタートした伯備線の駅印も好評販売中。伯耆大山駅から上石見駅まで、鳥取県内の伯備線の10駅のオリジナル駅印を販売。販売所など詳細は鳥取県観光連盟のホームページへ。
◎「鳥鐵駅印」の問い合わせ 鳥取県観光交流局観光戦略課 TEL:0857-26-7237
◎鳥取県の観光の問い合わせ 鳥取県観光連盟 TEL:0857-39-2111
(出典:「旅行読売」2022年7月号)
(WEB掲載:2022年6月6日)