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Café&Sweets 和(夕張)【旅する喫茶店】

場所
> 夕張市
Café&Sweets 和(夕張)【旅する喫茶店】

1990年築の旧夕張駅舎内で営業。右手にホームと線路が残っている

 

家族の絆で夕張に明かりをともす〝なごみ〞の場

中本満さん・和江さん夫妻が二人で営む「和(なごみ)」があるのは、旧夕張駅舎の一角。旧夕張駅は、2019年に石勝線夕張支線が廃線となるまで、その終点であった。

実はこの旧夕張駅舎は3代目。初代は夕張炭鉱近く、2代目は夕張市役所そば、3代目はマウントレースイスキー場の麓へと移転した。「炭鉱の街から観光の街へ」。産業の変遷とともに駅舎もその場所を変えてきたと言える。

「和」が市内からこの場所に移ったのは2014年のこと。まだ鉄道が走っていたが、「無人駅となって明かりが消えてさみしい。温もりをともし続けたい」という和江さんの願いからだった。鉄道が廃線となった今でも、その思いは消えていない。

観光客が情報収集に立ち寄り、地元の人々が集う、文字通りの「なごみ」の場がここにある。店内には夕張支線の歴史を伝える写真集や資料もあり、往時をしのぶ鉄道ファンも多く訪れる。

北海道の季節のフルーツを使ったケーキは、札幌市内で洋菓子店を営む息子さんが毎朝届けているという。オムライス、ハンバーグ、ナポリタンなどの食事メニューも手作りの優しい味だ。うらやましいほど強く確かな家族の絆(きずな)に誘われ、今日も誰かが訪ねてくる。


文/渡辺貴由 写真/齋藤雄輝

こぢんまりとした店内
夫婦で旧夕張駅の歴史を伝える
ケーキドリンクセット700 円(※掲載時の料金)

Café&Sweets 和

住所:北海道夕張市末広1-1-4

交通:石勝線新夕張駅からバス40 分、レースイリゾート前下車すぐ

TEL:0123-52-3337

 

(出典:「旅行読売」2022年10月号)

(WEB掲載:2022年10月7日)


Writer

渡辺貴由 さん

栃木県栃木市生まれ。旅行情報誌制作に30年近く携わり、全国各地を取材。現在、月刊「旅行読売」編集部副編集長。プライベートではスケジュールに従った「旅行」より、行き当たりばったりの「旅」が好き。温泉が好きだが、硫黄泉が苦手なのが玉に瑕(きず)。自宅では愛犬チワワに癒やされる日々。

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