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【鉄道開業150年】北海道空知地域の鉄道遺産と炭鉱跡を訪ねて(1)

場所
> 夕張市、岩見沢市、三笠市
【鉄道開業150年】北海道空知地域の鉄道遺産と炭鉱跡を訪ねて(1)

三笠鉄道記念館の国鉄9600形機関車 (右)は国産初の本格的な貨物けん引機。大編成の石炭列車を引いた。左は全国で活躍した国鉄C12形機関車

 

北海道の鉄道は石炭輸送から始まった

新橋-横浜駅間で産声を上げた日本の鉄道。ほぼ時を同じくして、新橋、横浜から遠く離れた北海道でも鉄道が誕生した。北海道の鉄路も約150年の時を重ねてきた。

北海道で最初、日本で3番目の鉄道(幌内鉄道)が開業したのは1880年。小樽市の手宮駅(1985年廃止)から札幌駅まで、35.9キロの区間である。新橋に最初の汽笛が響いてからわずか8年後のことで、2年後には今の三笠市の幌内駅まで全通した。

鉄道建設の目的は、三笠で発見された質の良い石炭を手宮港へ運び出すことだった。石炭は手宮港から本州へ運ばれ、新しい工業エネルギーとして日本の近代化に大きく貢献したのである。

幌内線を走る国鉄9600形機関車(写真提供/三笠鉄道記念館)
1970年に撮影された幌内駅舎(写真提供/三笠鉄道記念館)

夕張の繁栄と衰退を物語る夕張市石炭博物館

北海道の鉄道の歴史は開拓と資源開発、そして石炭の輸送に深く関わってきた。今回の鉄道遺産巡りモデルコース(下記)は、新千歳空港を起点として夕張(ゆうばり)市から三笠市、岩見沢市と巡り新千歳空港へ戻るルートとした。

まずは、北海道随一の炭鉱の町として栄えた夕張を紹介する夕張市石炭博物館へ。夕張の繁栄と衰退は読者もご存じであろう。しかし改めて古い図面や地図、写真、再現された採掘風景などを見ると、最盛期には大小24の炭鉱、人口約12万人を数えた夕張のにぎわいが、鼻腔をくすぐる石炭の匂いとともに甦よみがえるようだ。

1888年に発見され、夕張の出発点とも言える炭層も見ることができる。ありのままを伝える写真も数多く展示され、随所に炭鉱の歴史をリアルに伝える工夫がなされた博物館である。

この後は、鉄道の歴史を伝える三笠鉄道村へ向かう。

文/渡辺貴由 写真/齋藤雄輝

 

【鉄道開業150年】北海道空知地域の鉄道遺産と炭鉱跡を訪ねて(2)へ続く

 

モデルコース◎1泊2日

●1日目
新千歳空港
↓ レンタカー65キロ
夕張市石炭博物館
↓ レンタカー45キロ
三笠鉄道村(三笠鉄道記念館)
↓ レンタカー3キロ
旧幌内炭鉱変電所
↓ レンタカー3キロ
三笠鉄道村(クロフォード公園)
↓ レンタカー20キロ
北村温泉ホテル(泊)

●2日目
北村温泉ホテル
↓ レンタカー10キロ
岩見沢駅・岩見沢レールセンター
↓ レンタカー15キロ
旧唐松駅
↓ レンタカー
旧萱野駅
↓ レンタカー25キロ
万字線鉄道公園(旧朝日駅)
↓ レンタカー80キロ
新千歳空港

リアルに再現されたマネキンや実際の道具を使って当時の様子を再現。坑内で馬が使われていた時期もあった
「ドラムカッター」と呼ばれる採炭機械の実演運転も見られる


Writer

渡辺貴由 さん

栃木県栃木市生まれ。旅行情報誌制作に30年近く携わり、全国各地を取材。現在、月刊「旅行読売」編集部副編集長。プライベートではスケジュールに従った「旅行」より、行き当たりばったりの「旅」が好き。温泉が好きだが、硫黄泉が苦手なのが玉に瑕(きず)。自宅では愛犬チワワに癒やされる日々。

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