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【鉄道開業150年】北海道空知地域の鉄道遺産と炭鉱跡を訪ねて(2)

場所
> 夕張市、岩見沢市、三笠市
【鉄道開業150年】北海道空知地域の鉄道遺産と炭鉱跡を訪ねて(2)

三笠鉄道記念館の屋外展示車両

 

役目を終えた炭鉱、SLに感謝

【鉄道開業150年】北海道空知地域の鉄道遺産と炭鉱跡を訪ねて(1)より続く

北海道空知エリアの鉄道遺産を訪ねる旅。石炭の町として栄えた夕張から、鉄道関連遺産が残る三笠市へ向かう。

石炭を搬出港まで運ぶために敷設された幌内線は、1987年6月に貨物列車による石炭の出荷が終了すると、同年7月に全線廃止となった。皮肉にも、国鉄分割民営化後にJR北海道へ移行されてから最初の廃線区間である。しかし幌内駅の跡地には三笠鉄道記念館が立ち、「三笠鉄道村」の中核として鉄道ファンの人気を集めている。写真や歴史資料のほか、蒸気機関車や客車、北海道の雪と闘った除雪車など約40両を展示。24トン積み石炭車75両、長さ600メートルを超える列車を引いたという9600形蒸気機関車の雄姿は圧巻だ。

三笠鉄道記念館では、開館期間中の土・日曜、祝日は蒸気機の運転体験もできる
三笠鉄道記念館から車で5分ほどには旧幌内炭鉱変電所がある(外部見学のみ)

近代的な駅舎に生まれ変わった岩見沢駅

幌内鉄道開業とともに開拓が始まった岩見沢は、陸上交通の要衝として発展した。2007年に開業した現在の駅舎は近代的で、グッドデザイン賞などを受賞し建築関係者からも注目を集めている。南北を結ぶ自由通路からは、最大で1日2500両の貨車を操車したという広大な岩見沢操車場跡が見渡せる。

岩見沢駅自由通路と右手に広がる岩見沢操車場跡

そして駅の北口には、レンガ造りの岩見沢レールセンター(旧北海道炭礦鉄道岩見沢工場)が1899年の建造時のままの姿で立っている。今もレールの加工などが行われていて内部見学はできないが、120年以上にわたって北海道の鉄道を支えてきた施設に敬意を表したい。

岩見沢や三笠エリアには、廃駅となった後も当時の姿を伝える駅舎がある。その詳細は北海道の鉄道の記憶をとどめる廃駅巡りでお伝えする。

文/渡辺貴由 写真/齋藤雄輝

 

モデルコース◎1泊2日

●1日目
新千歳空港
↓ レンタカー65キロ
夕張市石炭博物館
↓ レンタカー45キロ
三笠鉄道村(三笠鉄道記念館)
↓ レンタカー3キロ
旧幌内炭鉱変電所
↓ レンタカー3キロ
三笠鉄道村(クロフォード公園)
↓ レンタカー20キロ
北村温泉ホテル(泊)

●2日目
北村温泉ホテル
↓ レンタカー10キロ
岩見沢駅・岩見沢レールセンター
↓ レンタカー15キロ
旧唐松駅
↓ レンタカー
旧萱野駅
↓ レンタカー25キロ
万字線鉄道公園(旧朝日駅)
↓ レンタカー80キロ
新千歳空港

岩見沢レールセンターは外観だけでも一見の価値あり
岩見沢レールセンター内部。青函トンネルの全長52kmにわたるロングレールの製造にも携わった。内部見学は不可。特別に許可を得て撮影

三笠鉄道記念館 ℡:01267-3-1123(冬季休館)

旧幌内炭鉱変電所 ℡:012671-2-3997(三笠ジオパーク推進協議会) 

 

(出典:「旅行読売」2022年10月号)

(Web掲載:2023年1月13日)

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Writer

渡辺貴由 さん

栃木県栃木市生まれ。旅行情報誌制作に30年近く携わり、全国各地を取材。現在、月刊「旅行読売」編集部副編集長。プライベートではスケジュールに従った「旅行」より、行き当たりばったりの「旅」が好き。温泉が好きだが、硫黄泉が苦手なのが玉に瑕(きず)。自宅では愛犬チワワに癒やされる日々。

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