【47都道府県の秋絶景】関西編
「新・日本街路樹百景」「日本紅葉の名所100選」にも選定されている
メタセコイア並木(滋賀県高島市)
秋色に輝く約500本の大樹のトンネル
農業公園「マキノピックランド」をまっすぐ貫く道の両脇に、1981年から住民が慈しみ育てた約500本のメタセコイアが立ち並ぶ姿は壮観。野坂山地の山々を背景に、秋になると黄金色から赤茶色に紅葉し、高原の秋をひときわ華やかに彩る。マキノ駅で自転車を借り(500円~)、陽光で秋色に輝くトンネルを走り抜けても気持ちいい。
●ベストシーズン 11月下旬~12月上旬
湖西線マキノ駅から高島市コミュニティバスマキノ高原線(時計回り)6分、マキノピックラ
ンド下車すぐ/北陸道木之本ICから24キロ
マキノピックランド ℡:0740-27-1811
加悦谷の雲海(京都府与謝野町)
歌人ゆかりの地に現れる秋暁の海原
与謝野鉄幹(てっかん)・晶子夫妻の名字のルーツがあり、多くの歌が詠まれた与謝野町。山々に囲まれた加悦谷(かやだに)平野では、昼夜に寒暖差がある秋の5時~8時頃に雲海が発生しやすい。標高約500メートル、大江山登山口にある加悦双峰(かやそうぼう)公園から北東方面を眺めれば、薄紅色に染まる朝焼けの空の下、白波立つような幻想的な雲海が、秋深い田園風景に広がっている。
●ベストシーズン 10月下旬~12月上旬
京都丹後鉄道宮豊線与謝野駅からタクシー35分で加悦双峰公園/山陰近畿道与謝天橋立ICから16キロ
与謝野町観光協会 ℡:0772-43-0155
箕面大滝(大阪府箕面市)
大滝を朱に染める大阪屈指の紅葉スポット
高低差は33メートル。荒々しい岩肌を豪快に流れる滝は、「日本の滝百選」に選ばれ、四季折々の美を見せる。特に秋はイロハモミジなどが燃えるような朱色に色付き、壮麗な美しさだ。箕面駅すぐの公園入り口から滝まで、片道2.8キロの渓谷沿いの遊歩道でも紅葉狩りを楽しめる。もみじの葉を揚げた銘菓、もみじ天ぷらをカリッと味わいながら歩きたい。
●ベストシーズン 11月中旬~12月上旬
阪急箕面線箕面駅から徒歩40分/阪神高速池田出口から12キロ
箕面公園管理事務所 ℡:072-721-3014
姫路城と三の丸広場のイチョウ(兵庫県姫路市)
白色の天守と黄色のイチョウが競演
世界遺産の姫路城は白鷺(しらさぎ)城の別名通り、白鷺が羽を広げたように優美。紅葉は隣接する好古園(こうこえん)が有名だが、三の丸広場も見逃せない。南端から北側を望むと、白漆喰総塗籠(しろしっくいそうぬりごめ)造りの白壁が映える天守と、高さ約10 メートルの黄葉まばゆいイチョウが見事に並び立つ。同広場では12月2日~11日の夜に、光と水による幻想的なイルミネーションイベントを開催。
●ベストシーズン 11月上旬~12月上旬
9時~16時、三の丸広場は24時間(イルミネーションは2022年12月2日~11日の17時30分~21時)/12月29・30日休/1000円、姫路城・好古園(共通券)1050円、三の丸広場無料
山陽新幹線姫路駅から書写山ロープウェイ行きなどバス4分、姫路城大手門前下車徒歩5分/播但連絡道路花田ICから4.5キロ
姫路城管理事務所 ℡:079-285-1146
斑鳩の里とコスモス(奈良県斑鳩町)
悠久の歴史を感じる秋麗な原風景
法隆寺をはじめ、法起寺(ほうきじ)や法輪寺(ほうりんじ)など世界最古の木造建築群が点在する斑鳩の里。秋には法起寺周辺の約2万6000平方メートルで、地元農家が育てた色とりどりのコスモスが咲き乱れる。歴史と自然が一体となった秋の原風景は、見る者の心を和ませる。耳を澄ませば、正岡子規(まさおかしき)が俳句で詠んだ時代から変わらないであろう法隆寺の鐘の音も聞こえてくる。
●ベストシーズン 10月中旬~11月上旬
関西線法隆寺駅からタクシー10分で法起寺/西名阪道法隆寺ICから4キロ
斑鳩町都市創生課 ℡:0745-74-1001
生石高原(和歌山県紀美野町、有田川町)
金色にきらめくススキと断崖絶壁の火上岩
標高870メートルの生石ヶ峰山頂付近に位置する生石高原は、関西有数の13万平方メートルという広大なススキ野原が広がり、見る者を圧倒する。特に秋には陽光と秋風を受けて、穂がきらきらと金色に輝きながら揺らめき、おとぎ話の世界に迷いこんだよう。大草原にそそり立つ火上岩に登れば、断崖絶壁に立っているような非日常的な写真が撮れる。
●ベストシーズン 10月上旬~11月中旬
紀勢線海南駅からバス30分、登山口でタクシーに乗り換え30分/阪和道海南東ICから20キロ
山の家 おいし ℡:073-489-3586
(出典:「旅行読売」2022年11月号)
(WEB掲載:2022年12月23日)