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【47都道府県自慢の秋絶景】北海道・東北編

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【47都道府県自慢の秋絶景】北海道・東北編

国内では北海道のみに生息。11月は日の出を背に飛来する姿、鳴き合う姿が観察できる

 

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ(北海道鶴居村)

野生のタンチョウが北の大地を舞う

翼を広げると2メートル以上。釧路湿原を象徴するタンチョウは日本最大の野鳥で、白と黒の羽色が道東の雄大な風景によく映える。秋が深まる頃には給餌(きゅうじ) 場へと飛来。日本野鳥の会の活動拠点でもある同施設にはネイチャーセンターと給餌場があり、11月下旬~3月に給餌を行う。最大300羽のタンチョウの舞姿と「クルルォー」という鳴き声が胸に響く。

●ベストシーズン 11月下旬~3月中旬

10月1日~3月30日の9時~16時/祝日を除く火・水曜休、12月26日~1月1日休/無料
根室線釧路駅からバス1時間、鶴居(つるい)村役場前下車徒歩15分/釧路外環状道路釧路西ICから28キロ
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ TEL:0154-64-2620


弘前市のリンゴ生産量は日本一。岩木山を望むリンゴ畑で11月上旬まで収穫体験ができる

弘前市りんご公園(青森県弘前市)

たわわに実るリンゴと津軽富士の競演

「透き通るくらいに嬋娟(せんけ ん)たる美女」と山容を表現したのは津軽出身の小説家・太宰治である。艶(あ で)やかで美しい県内最高峰の岩木山を、津軽地方の秋景色として楽しむなら同園を訪れるといい。およそ10ヘクタールの敷地で約80種、2300本のリンゴを栽培。園内の「すり鉢山展望台」から北を望めば、リンゴ畑の向こうで津軽富士が優美に裾野を広げている。

●ベストシーズン 8月上旬~11月上旬

9時~17時/無休(収穫体験は8月上旬~11月上旬の9時~16時)/無料(収穫体験は有料)
奥羽線弘前駅からバス20分、常盤坂入口下車徒歩7分/東北縦貫道大鰐弘前ICから17キロ

弘前市りんご公園 TEL:0172-36-7439


錦の森を縫って流れる松川。松川温泉の硫黄成分により水色はエメラルドグリーン

松川渓谷「森の大橋」(岩手県八幡平市)

八幡平の渓流と紅葉を橋上から見下ろす

日本有数の火山地帯である八幡平(はちまんたい)エリアには、原生的な自然と湯治場文化が残っている。標高800メートルの山あいに湧く松川温泉から八幡平温泉郷へと続く松川渓谷の秋は、ブナやナラの原生林の紅葉が鮮烈だ。絶景は松川に架かる「森の大橋」からの眺望。山並みの向こうに頭を出す岩手山は、石川啄木が「ふるさとの山」と歌に詠み、愛した山と言われる。

●ベストシーズン 10月中旬~下旬
東北線大更駅からバス40分、下倉スキー場入口下車すぐ/東北道松尾八幡平ICから10キロ

八幡平市観光協会 TEL:0195-78-3500


武家屋敷通りをカエデやモミジの紅葉が彩る。一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区

角館武家屋敷通り(秋田県仙北市)

藩政時代の面影を残す町が紅葉で華やぐ

黒板塀が続く通りに赤や黄色の葉を輝かせ、木々が枝をのばしている。三方を山に囲まれ、風情ある町並みで「みちのくの小京都」と呼ばれる角館(かくのだて)は、藩政時代に佐竹北家の城下町として栄えた地。今も残る町割り、石黒家や青柳家などの武家屋敷に400年の歴史が薫る。約700メートルの武家屋敷通りを歩けば、着物姿の客を乗せた人力車が通り過ぎていく。

●ベストシーズン 10 月下旬~11 月上旬

秋田新幹線角館駅から徒歩15分/秋田道大曲ICから25キロ

仙北市観光情報センター「角館駅前蔵」 TEL:0187・54・2700


アカシデやミズナラの紅葉が鮮やかな鳴子峡(写真/宮城県観光プロモーション推進室)

鳴子峡(宮城県大崎市)

湯の町へと続く断崖絶壁の渓谷の錦秋

トンネルから走り出た陸羽東(りくうとう)線の列車が、鳴子峡(なるこきょう)の紅葉に見惚(みと)れるように徐行運転する。大谷(おおやや) 川が刻んだ峡谷は長さ4キロ、崖の高さは80メートル以上。峡谷の絶壁を彩る木々の紅葉と奇岩怪石がダイナミックな秋景色を描く。アーチの美しい大深沢橋を望むなら鳴子峡レストハウスへ。ここから鳴子温泉街まで10キロの「大崎・鳴子オルレコース」がのびている。

●ベストシーズン 10月中旬~11月中旬

陸羽東線鳴子温泉駅からタクシー10分(紅葉時期は臨時バスが運行)/東北道古川ICから33キロ

鳴子温泉観光案内所 TEL:0229-83-3441


澄んだ湧き水で、山形市の水源でもある。周囲にテーブルとベンチが設置されている

蔵王ドッコ沼(山形県山形市)

神秘的な水色が山形蔵王の秋を彩る

蔵王(ざおう)連峰の西麓に湧く蔵王温泉は県内最古で、開湯1900年。硫黄の匂い漂う温泉街から蔵王中央ロープウェイに乗り、標高1387メートルの鳥兜(とりかぶと)山頂へ。15分ほど歩くとブナやカエデの木々越しにエメラルドグリーンの湖面が見えてくる。水深2メートル、周囲は約350メートル。合唱組曲「蔵王」の第4曲「どっこ沼」で、「水は七色」と歌われる美しい沼である。

●ベストシーズン 10月中旬

蔵王中央ロープウェイは8時30分~17時(季節により異なる)/ロープウェイ往復1500円
山形新幹線山形駅からバス40分の蔵王温泉バスターミナルで蔵王中央ロープウェイに乗り換え、鳥兜駅から徒歩15分/東北中央道山形上山ICから12キロ(蔵王中央ロープウェイ)

蔵王温泉観光協会 TEL:023-694-9328

 


第一只見川橋梁を渡る只見線の列車と川沿いの紅葉(写真/ピクスタ)

只見線(福島県会津若松市、只見町など)

只見川と橋梁が演出する絶景ローカル線

11年ぶりの秋景色が見られる区間もある。会津若松駅と小出駅(新潟県魚沼市)を結び、奥会津を走る秘境路線として愛される只見(ただみ)線は、2011年の集中豪雨で第五~第七只見川橋梁(きょうりょう)が流失。長らく会津川口―只見駅間で不通となっていたが、10月1日に全線運転再開する。待望の日に向け、映画『「霧幻鉄道」~只見線を300日撮る男~』が公開中。

●ベストシーズン 10月中旬~11月中旬

只見線会津宮下駅から徒歩40分(第一只見川橋梁展望台)/磐越道会津坂下ICから15キロ(道の駅尾瀬街道みしま宿駐車場)

福島県只見線管理事務所 TEL:0242‐93‐5155

(出典:旅行読売11月号)

(Web転載:2022年11月3日)


Writer

たびよみ編集部 さん

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