駅舎のある風景 北府駅【福井鉄道福武線】
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地元の人たちに愛され、名前と姿を変えて続く
福井県越前市の中心、武生(たけお)を訪ねた。古代の越前国の国府が置かれ、明治時代以前は「府中」と呼ばれていた。
町の中心部を歩くと、蔵の辻という一角に差し掛かる。武生は北陸街道の宿場、物資の中継地として栄え、江戸時代以降に「越前鎌」と呼ばれる打刃物(うちはもの)の生産が盛んになった。蔵の辻には、商人たちが建てた美しい白壁の蔵が並ぶ。
市街地から府中の北に位置する北府(きたご)エリアへ。ここには福井鉄道福武(ふくぶ)線の車両基地と、1924年の開業時から残る古い木造駅舎がある。元は西武生駅だったが、2010年に北府駅に改称した。その半年後に地元住民らによって発足した「北府駅を愛する会」の協力も得て、2012年にレトロな雰囲気を残した駅舎にリニューアルした。
古くて新しい駅を眺めてから、青葉茂る桜の木の下を抜け、改札口へと向かった。
文・写真/越 信行
福井鉄道福武線は前身の福武電気鉄道が1924年開業。北府駅(西武生駅)も同年開業。越前武生駅から2分
(出典:「旅行読売」2021年7月号)
(Web掲載:2023年1月11日)