【見つけた!ご当地鍋】「御食事処 ちどり」のレモン鍋
瀬戸内の幸がぎっしり詰まったレモン鍋は1人前2550円〜(注文は2人前~)※写真は2人前。要予約
家族だんらんの食卓で生まれた、レモンが主役の海鮮鍋
「日本一のレモンで鍋を作ってよ」9歳の女の子のリクエストがきっかけだった。尾道市瀬戸田町(生口島/いくちじま)にある「ちどり」の3代目・橋本貴さん宅では、定休日は家族そろって食事をと、年中、鍋を囲んでいた。10年ほど前、冒頭の娘さんのアイデアが飛び出し、1年ほど試行錯誤して、今のレモン鍋に行き着いた。
鰹節(かつおぶし)と昆布のダシに、瀬戸内でとれた新鮮なタコ、タイ、カキのほか、タコのつみれ、豚肉、野菜を煮たら、醤油(しょうゆ)で味付け。仕上げに具が見えなくなるほどレモンを並べ、搾り汁で味を調える。「魚介が多すぎるとレモンの香りが飛ぶので、バランスが難しかった」と橋本さん。
具材の滋味が溶け込んだスープは香り高く、酸っぱいどころかまろやかな味わい。カキはプリプリ、タイはホクホク。地物のタコはさすがに味が濃い。店で使うレモンは、農薬や肥料の量を通常の5割以下で栽培した「せとだエコレモン」。糖度は11度もあり、皮ごと食べられる。酸っぱさの中にも上品な甘みが感じられ、後味さっぱり。これからますます甘みが増し、濃厚な味わいになるそうだ。瀬戸田の宝が詰まったレモン鍋、ぜひ味わってみてほしい。
文/中 文子
11時〜15時(土・日曜、祝日は〜16時)、18時~20時30分/火曜休
山陽線尾道駅から徒歩3分の尾道港で高速船に乗り換え40分の瀬戸田港から徒歩7分
TEL:0845-27-0231
広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田530-2
(出典:「旅行読売」2023年2月号)
(Web掲載:2023年2月13日)