「日本一」に輝いた宮崎餃子!(1)
餃子の馬渡
2冠を獲得した宮崎餃子
2021年の1世帯当たりの餃子購入頻度と支出金額で、宇都宮市や浜松市を抜き、宮崎市が日本一となった。総務省の調査によると、2021年の1世帯当たりの年間餃子購入額(※)は、宮崎市が4184円、2位の浜松市が3728円、3位の宇都宮市が3129円という結果であった。
「購入頻度と支出金額で2冠を獲った宮崎餃子を、ぜひ県外の方にも食べに来てほしい」と宮崎市ぎょうざ協議会の渡辺愛香会長は話す。
餃子を持ち寄るのは当たり前
宮崎市内には餃子店が約60軒もあるが、県内各地でも餃子は好まれている。これは、宮崎県が豚、鶏など畜産業が全国トップクラスであることや、餃子の具に欠かせないキャベツやニラ、ショウガなどの栽培も盛んであることが挙げられる。これも、日照時間、平均気温が国内トップクラス、食料自給率(生産額ベース)や土地生産性が全国1位という、宮崎県の気候風土の“賜物”といえる。
宮崎県民は、親せきや友人との集まりや地域の会合などに、餃子を持ち寄るという習慣がある。それが当たり前だったことから、県外の人から指摘されるまで、自分たちが餃子の消費量が多いことに気づかなかったというエピソードもある。そのため、ほとんどの店で餃子の持ち帰りが可。持ち帰り専門店も多い。
タレいらずでうまい宮崎餃子
前述の通り農畜産業が盛んであることから、宮崎餃子には高い品質の具材が地産地消で使われている。焼く際の油にラードを使う店も多く、香ばしい焼き餃子はタレをつけなくてもおいしい。おかずとしてはもちろん、酒のおつまみにもぴったり。
「私どもは、宮崎の豊かな自然と人によって育まれた食材で作られた餃子を宮崎餃子と定義づけています。宮崎餃子は多種多様です。あなた好みの餃子が必ず宮崎にあります」と、宮崎県ひなた餃子連合会の武末哲治会長は熱く語る。
「餃子日本一」となり、観光を兼ねて宮崎餃子を味わいに来る県外客が増えている。今、宮崎のアツアツの餃子に、旅行者の視線も熱い!
キャベツ農家さんに聞きました!
餃子の具材として欠かせないキャベツの出荷量が、県内第1位の宮崎県高鍋町。県中央部、県内最小の町だ。町内の持田染ヶ岡地区で、尾鈴山を背景に4ヘクタールの畑でキャベツを栽培している永友三雄さんに、地元産の魅力を聞いた。
ヒマワリ栽培もポイント
永友さんの第一声は、「火山灰土と冬でも温暖な気候が、おいしいキャベツ作りに適しています」と。同地区ではヒマワリが夏の風物詩で、春キャベツと秋キャベツの農閑期に咲き誇る。緑肥として使うために栽培しているという。
「緑肥などを使い、自然と相談しながら、化学肥料ばかりに頼らないで育てると、歯応えと甘みが増しますよ」と、優しい笑顔で永友さんは教えてくれた。
実際に食すと、みずみずしくシャキシャキとした食感に自然の甘みが口の中に広がった。宮崎餃子の人気を支える大切な役目を果たしていることを実感。
※全国の県庁所在地と政令指定都市の1世帯(2人以上)の購入額(冷凍や外食は含まれない)