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【本をめぐる旅】本と泊まる カーブドッチヴィネスパ

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 新潟県
> 新潟市
【本をめぐる旅】本と泊まる カーブドッチヴィネスパ

中庭に面し、開放感あふれる環境で読書ができる本屋カフェ。左手に見えるのは「食べて、飲む」の書棚

 

ワインや温泉とともに本に親しむ

新潟駅から送迎車で50分、日本海に面した角田(かくだ)山麓には5軒のワイナリーがあり、新潟ワインコーストと呼ばれている。その先駆者であるカーブドッチワイナリーを訪ねた。敷地内にはホテルやワインショップ、レストラン、カフェ、スパなどがあり、今回滞在するのはカーブドッチヴィネスパ。宿泊もできる温泉施設で、2022年3月にリニューアルし、本屋カフェがお目見えした。

まずは冷えた体をほぐしに温泉へ。内湯や露天風呂の湯はとろみがあり化粧水のよう。よく温まって湯上がり後も心地よい気分が続く。

泉質はアルカリ性単純温泉。角田山の麓にある2本の源泉から温泉を引いている。右の露天風呂は源泉の異なる大小二つの浴槽がある

日常から離れて思う存分本が読みたい。そんな願いを叶(かな)えてくれるのが本屋カフェだ。1階と2階のラウンジ全体の壁面に約4000冊の本が並び、本好きの心をわしづかみにする。ブックデザイナーの幅允孝(はばよしたか)さんにより10のテーマで選書されており、新たな知との出合いに心躍る。

本はカフェでも客室でも読め、購入もできる。ワイナリーに来たのだからと「食べて、飲む」のコーナーに吸い寄せられた。ワインに関する本も充実していて、日本ワインやワインに合う料理など、興味がどんどん広がっていく。

飲み物や軽食は読書をしながらどこでも楽しめる
和食は蒲原牛のしゃぶしゃぶをはじめ、地元の旬の素材を使った料理が並ぶ。カーブドッチのワインは和食にも合う
客室は洋室と和室から選べる。洋室は3室あり、インテリアが異なる

お気に入りのソファを見つけたり、読書の合間に噴水のある中庭を眺めたりするのも楽しい。館内は床暖房になっていて、館内着に裸足でくつろげ、エリアによって絨毯(じゅうたん)や木など床の感触が異なるのも面白い。

読書のお供にはワインや軽食、お茶やスイーツを。「ワインに興味をお持ちでしたら、ワインカウンターで1杯200円でテイスティングもできますよ」とマネージャーの五十嵐麻美さんが勧めてくれた。

さあ夕食の時間。和食かフレンチかを選べ、どちらも新潟の食材を生かした食事とワインとの相性が抜群だ。読書で得た知識と実体験で学びがより深まっていく。さて食後はどんな本を読もうか。

文/堀内志保

カーブドッチワイナリーは新潟ワインコースト初のワイナリーとして1992年に創設。カーブドッチヴィネスパは2008年にオープンした

カーブドッチヴィネスパ

TEL:0256-77-2226
新潟市西蒲区角田浜1661
越後線内野駅からタクシー20分(新潟駅から送迎50分、要予約)/北陸道巻潟東ICから約15キロ

料金:1泊2食平日1万8150円~、休前日2万4150円〜(ひとり泊は平日のみ2万3650円~)
客室数:全7室
食事場所:夕食=レストラン湯楽(和食)またはレストラン トラヴィーニュ(洋食)、朝食=レストラン湯楽(和食)
※入館は小学生以上

※掲載時のデータです。

 

(出典:「旅行読売」2023年3月号)

(Web掲載:2023年4月1日)

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Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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