たびよみ

旅の魅力を発信する
メディアサイト
menu

【桜の咲く駅へ】津軽鉄道で行く芦野公園駅(2)

場所
【桜の咲く駅へ】津軽鉄道で行く芦野公園駅(2)

「津軽富士」と呼ばれる岩木山と弘前城天守の風景。2023年の弘前さくらまつりの開催期間は4月21 日~5月5日

 

古い駅舎を活用した喫茶店からホームを眺める

【桜の咲く駅へ】津軽鉄道で行く芦野公園駅(1)から続く

芦野公園を散策した後は、津軽鉄道の旧駅舎を活用した赤い屋根の喫茶店「駅舎」で休憩したい。店内は現役だった頃の駅の雰囲気を残している。「長い冬を耐え忍んだ地元民にとって、桜はまさに春の喜びなんです。美しさに涙が出る時もあります」という店主の栄利有夏(さかりゆか)さんの言葉が心に残った。

春の陽気に誘われ、公園から「斜陽館」まで約1㌔、徒歩15分ほどの道のりを歩くのもいい。若き頃の文豪が歩いたかもしれない道を歩き、生家のミュージアムでさらに深くその人物像を知るのは、ファンには得がたい経験になるだろう。

喫茶店の店内からホームを眺める

弘前公園の夜桜に酔う

もう一つの名所、弘前公園にも寄りたい。「みちのく三大桜名所」の桜が素晴らしいのはもちろんだが、夜のライトアップは格別だ。園内に咲く約2600本のソメイヨシノを中心とした桜は、生産量日本一のリンゴのせん定などで培われた技術を応用しているため、花の咲き方が生き生きとしているように感じられる。特に西濠の桜は、無風になれば鏡のように水面に映り、堀の中へ吸い込まれてしまいそうな幻想的な魅力に息をのむことだろう。

津軽の桜は例年4月下旬から。桜前線を追いかけて日本列島を北上するのも一興ではないだろうか。 

文/工藤 健

弘前公園西濠にある春陽(しゅんよう)橋。弘前さくらまつり期間中のライトアップはフォトスポットとして人気(写真/ピクスタ)

赤い屋根の喫茶店「駅舎」

旧芦野公園駅舎を活用して営業している喫茶店。駅務室と待合室が店舗スペースになっており、現役の駅舎だった頃の面影が残る。コーヒーやスイーツ、軽食などを提供。

■10時~16時30分/水曜休/津軽鉄道芦野公園駅からすぐ/TEL:0173-52-3398

1930年築の建物は、国の登録有形文化財

太宰治記念館「斜陽館」

1907年に建てられた太宰治の生家で、近代の代表的な和洋折衷建築として、国の重要文化財に指定されている。蔵を活用した資料展示室には、太宰治のマントや執筆用具、直筆原稿、書簡などを展示。資料館としての観覧だけでなく、建築美も楽しめる。

■9時~17時(10月~3月は~16時30分)/600円/12月29日休/津軽鉄道金木駅から徒歩5分/TEL:0173-53-2020

赤レンガの塀が独特の雰囲気を持つ斜陽館。向かいの金木観光物産館「産直メロス」では土産物や農産物を販売


Writer

工藤 健 さん

東京でウェブライターを経験し、2012年に青森へ移住。地域新聞や地域の情報を発信するお仕事をいただきながら、田舎でせっせと暮らしてます。

Related stories

関連記事

Related tours

この記事を見た人はこんなツアーを見ています