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駅舎のある風景 飯井駅【山陰線】

場所
> 萩市
駅舎のある風景 飯井駅【山陰線】

海沿いの小さな集落の箱庭のような光景

益田駅を出た山陰線は、車窓に日本海を眺めながら西へ向かう。海から離れた列車は東萩駅に近付き、松本川と橋本川に囲まれた萩市街を回り込むように走る。再び海沿いに出て、対岸に青海(おうみ)島が見えて間もなくすると、紺碧(こんぺき)の小さな入り江と赤い石州瓦(せきしゅうがわら)の家屋を望む、飯井(いい)駅に到着した。

飯井集落は、中央の小川を境に萩市と長門(ながと)市とに分かれているが、昔から一つの町内会で暮らしているという。高台から萩市側にある駅を見ると、箱庭のような美しい光景が広がった。

長門市駅から仙崎駅まで足を延ばし、車窓に見た青海島東端へ。古式捕鯨で栄えた通(かよい)地区にはくじら資料館があり、その歴史を今に伝える。

青く透き通った海を目に焼き付け、さらに西へと向かった。

文・写真/越 信行


山陰線は1933年全線開業。飯井駅は1964年に開業。益田駅から1時間35分

※連載をまとめた書籍「駅舎のある風景」(定価1430円)は全国の書店、WEB書店で好評発売中です。

(出典:「旅行読売」2022年5月号)

(Web掲載:2023年5月18日)

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Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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